ジダンの選手起用の慧眼と決断のすごさ。レアルは戦術もバルサを上回る (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 一方で株を下げたのは、バルサ指揮官であるエルネスト・バルベルデだろう。ブスケッツ不在で、"石橋を叩いて渡る"布陣になったことは不運だった。しかし、相手の優勢を許し、最後まで流れを変えられていない。右サイドの城門が叩き割られそうになったところで、ようやくアルトゥーロ・ビダルを右サイドに投入。本丸を攻め落とされずに済んだものの、常に後手に回っていた。

 バルサは、メッシひとりに対する依存度の高さをあらためて示した。

 クラシコ後、リーガ・エスパニョーラの順位は変わっていない。同勝ち点(36)でバルサが首位だが、サンティアゴ・ベルナベウであるクラシコのことを考えれば、2位のレアル・マドリードが有利になったか。スペインにおいて、アウェーでの引き分けは勝ちに等しい。

 決着のつかない一戦が、図らずも今シーズンのリーガ全体の拮抗を表していた。

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