シメオネ監督も太鼓判を押すジョアン・フェリックスが学ぶべきことは (3ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

「彼にとってリーガ最初の試合であり、相手は守備において、戦術的によく動くチームであり、難しかったにちがいない。前半、相手はほとんどスペースを与えてくれなかったし、彼のプレーを見せることはできなかったが、しかし後半には個人技において能力の高さを見せてくれた。引き続きそのようなプレーを見せて欲しい。彼はさらによくなっていかなければいけない」

 ジョアンはシメオネ監督の期待に応えるように、早くも第3節のエイバル戦ではリーガ初得点を記録している。

 何もかも順風満帆に進んでいくようではあったが、ジョアンにとって19年がすべてバラ色であったわけではない。

 19年6月5日に行なわれたUEFAネーションズリーグの準決勝スイス戦で、ジョアンはポルトガルA代表デビュー戦を飾ったが、それはジョアンにとってほろ苦いものとなった。

 ジョアンは先発し、クリスティアーノ・ロナウドと共にプレーをしたが、思いどおりのプレーができないまま、70分にゴンサロ・ゲデスと交代している。しかも次の決勝戦ではそのゴンサロ・ゲデスが起用され、決勝点を挙げ、ポルトガルの優勝に貢献したのだった。その後、ジョアンは代表戦4試合に起用されているが、まだ代表初ゴールは生まれていない。

 ポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、ジョアンの得点が生まれるのは時間の問題であると話す。

「大きな価値を持った若者だけに、遅かれ早かれ代表において重要な役割を果たすことになるだろう。彼に重圧を与えたくないし、彼もそのことをよくわかっているはずだ」

 19年11月17日、ジョアン・フェリックスはポルトガルにとっては16年度のレナト・サンチェス以来となる、ゴールデンボーイ賞を受賞した。これはイタリアのトゥットスポルト誌が主催する、ヨーロッパでプレーする21歳以下の最優秀選手に贈られる賞だ。

 レナト・サンチェスはユーロ2016での活躍が高く評価されたのだが、その後ベンフィカからバイエルンに移ってからはぱっとせず、そのまま現在に至るまで、出口のない迷路に入り込んでしまったかのようだ。それもあって、ジョアンに対する将来への不安も同時にささやかれている。

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