堂安律がプロ初のヘディングゴール!解任危機の監督を救う (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



 シュートバリエーションを増やすため、堂安はフローニンゲンにいた頃からヘディング練習に励んでいたという。

「それこそ本当に、今シーズンに入ってから(ヘディングを練習していた)。フローニンゲンではトップ下でプレーしていたので、クロスボールが多くなっているのを感じていた。『得点を獲るために、得点のバリエーションを増やしたいな』と思ってトレーニングしていたので、よかったです」

 今から1年近く前、堂安はアジアカップで2ゴールを決めた。だが、「思うようなゴールではなく、得点パターンをもっと増やさないといけない」(4月6日のエクセルシオール戦後)と誓ったという。

 まずは、右からのカットインシュートを極めること。それを極めたら、今度は相手が中を切ってくるので、スペースの空いた縦に抜けてから右足でシュートを打つ技術も磨いた。そして今回、堂安はヘディング練習の成果を実戦で示した。

「右足で(利き足の)左足と同じ得点数を獲るのは無理なので、バリエーションがほしい。たとえば、左足で5点、右足で1点、ヘディングで3〜4点獲れれば、シーズンふたケタ得点に近づくなと考えたりします」(フォルトゥナ戦後の堂安)

 フォルトゥナ戦、堂安は右サイドからファーサイドに低く巻くようなクロスを蹴っていた。それはまるで、アヤックスのハキム・ツィエクがファーポストに走り込むクインシー・プロメスをめがけて蹴る鋭いクロスを彷彿させた。

「得点だけじゃなく、しっかりアシストもつけられるのが自分の特徴だから、そこは今年からこだわろうと思っているところ。ツィエクのプレーもよく見ています。監督からも、あのプレー(ファーに巻く低くて強いクロス)はすごく求められている。ミーティングでもずっと見せられるくらい。(味方がボールに)触らなくてもゴールに入るぐらいのイメージです」

 堂安はかつて、「サイドアタッカーで参考にしている選手はたくさんいるので挙げきれない。ただ、右サイドで俺と似ているタイプはいないので、いいところを盗んで参考にしています」と言っていた。

 オランダリーグ第16節を終えて、堂安の個人スタッツは13試合に出場して3ゴール1アシストと、思うように伸びてない。しかし、フォルトゥナ戦のようなパフォーマンスが続けば、チームの成績と同様に個人成績も自ずと上がっていくだろう。

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