本田圭佑、ボランチでの満足度は50点。
自らチームの戦術を解説

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO



 フィテッセでの初戦となったスパルタ戦で、本田はトップ下として先発した。前半は右下に降りたり、後半は左下に降りたりして、MFのリーシェドリー・バズールやマトゥーシュ・ベロとの関係を探ったり作ったりしながら、相手のバイタルエリアにも顔を出した。

 今回のヘーレンフェーン戦ではベロとボランチを組み、25分から40分までは相手を引きつけながら、いいゲームコントロールをしていた。この時間帯は、本田にとってもプラス材料だったのではないだろうか。

 だが、この新システムはたった2週間で準備してきたもの。選手同士が試合中に調整し合う部分も大きかったはずだ。ヘーレンフェーンに守備を崩されたわけでもないPKひとつでチームのメンタルが崩れたのは、チームビルディングに硬い芯が一本入ってないことでの迷いによるものだろう。

 後半、マークを背負いながらボールを持った本田は、「クルクルっと(周囲を)見たら、ウインガーがめっちゃサイドに張っているんです。もうみんなマークにつかれていているわけですよ。これはもう、チームの問題。ボランチの俺がボールを受けてもマンツーでつかれているんで、それをかわせというのは、ちょっとそんなボランチは世界的にもいないんで」と、パスの出し先が見つからなかったことを説明した。

 本田が説明したそのメカニズムを要約するとこうだ。

(1)味方のCBがボールを持っても、3トップは相手の4バックにつかれている。
(2)中盤は「3対3」でお互いがマークしあっている。
(3)フィテッセの中盤は三角形、ヘーレンフェーンは逆三角形。相手陣内にスペースが生まれるのはアンカーの脇。そこにフィテッセのウインガーが入ってこないといけない。
(4)ウイングがアンカー脇のスペースでボールを受ければ、相手のマークがずれてほかの選手が前を向いてボールをもらえ、プレーが連動する。

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