2019.11.30

シメオネ率いるアトレティコに異変。
主軸移籍、得点力不足にケガ人続出

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 ここまでの戦いぶりを見る限り、シメオネの完成形は、GKオブラク、DFトリッピアー、サビッチ、ヒメネス、ロディ、MFジョアン・フェリックス、トーマス、コケ、サウール、FWジエゴ・コスタ、モラタとなっている。しかし現在はケガ人続出により、そのプランの変更を余儀なくされている。

 シーズンも半ばに近づき、獲得候補に左SBのウルグアイ人マティアス・ビーニャ(ナシオナル)や、守備的MFのブラジル人ブルーノ・ギマラエス(アトレティコ・パラナエンセ) などの名前が挙がっているが、今冬の移籍市場での選手獲得はないと見られている。

 エンリケ・セレッソ会長はユベントス戦当日、「基本的に選手を獲得するつもりはないが、もしその必要性があるとなれば獲得するつもりだ。ジエゴ・コスタのケガは残念だが、我々にはすばらしい控え選手たちがいる」とコメントした。

 またシメオネもグラナダ戦前日の記者会見でジエゴ・コスタの代わりとして、Bチームのエース、ダリオ・ポベダをメンバーに加えることを明かし、実際にトップチームでデビューさせ、まだ一度もプレーしていないシャポニッチがいることも強調している。さらにユベントス戦後の記者会見では「今いる選手とともに死ぬ気で臨む」とも語っていた。

 しかし実際のところは、リーガのサラリーキャップ制を準拠するために、まず選手の売却が必要となっていることが、今冬の移籍市場で動かない理由と思われる。

 シメオネが目指すのは、すでに何度か試してきたジエゴ・コスタ、モラタ、ジョアン・フェリックスの”トリデンテ(三叉の矛)”を機能させ、今いるメンバーで新時代のチームを形作ること。それが6シーズンぶりのリーガ優勝、ならびに悲願のCL初制覇を成し遂げるために必要不可欠となる。

 アトレティコはこの後、バルセロナとのリーガ前半戦の大一番を迎える(12月1日)。主力に欠場者が続出し、ここ最近勝利に苦しむシメオネが、今季1度も負けていない難攻不落の要塞、ホームのワンダ・メトロポリターノで首位チーム相手にどのように戦うのかに注目したい。

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