35歳になるロナウドは、古ければ古いほどよくなるポルトワインのよう (2ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 これらの批判は、ロナウドを嫌う者たちにとっては心地よいものとして耳に届いただろう。だが、この言葉をもっとも不快に感じたのはポルトガル代表監督のフェルナンド・サントスであったようだ。11月16日、ユーロ2020予選、ルクセンブルグ戦前日の会見。最近ではロナウドが欠かせない存在であることを疑問視されてきたが、それについてどう思うかという問いに対して、少し怒りを含んだ口調でこう答えた。

「ロナウドのクオリティに対して、疑問に思う者がいることが理解できない。私にとっては世界最高の選手であり、その質問に対してはそれ以上答えたくない」

 その翌日に行なわれたルクセンブルグ戦で、ロナウドはポルトガル代表としての99得点目となるゴールを記録している。また、その3日前に行なわれたリトアニア戦では、3ゴールと依然大きな存在感を示している。

 したがってほとんどのポルトガル人は、ロナウドに対しては全面的な信頼を寄せており、監督の言葉と同じ考えを持っているのだ。

 2019年は、じつはロナウドにとってポルトガル代表でもっとも多くの得点を記録した年となっている。なんと10試合で14得点を決めた。

 ロナウドは、ポルトガル代表デビューを果たした2003年8月以来、4人の監督の下でプレーを続けてきた。ルイス・フェリペ・スコラーリ監督の時はまさにブレイクしようとする若者だった。

 その頃はサイドでのプレーを好み、もっぱらアシストをしていた。ゴールへの欲求がだんだんと大きくなっていく傾向は見られたが、代表においてどのような役割を担っていくべきなのかをまだ探っていた時期でもあった。スコラーリ監督時代に、彼は58試合で21得点を記録している。1試合平均0.36ゴールだった。

 順風満帆のスタートを切った代表でのプレーだが、カルロス・ケイロス監督になってから最悪の時期がやってくるなどとは誰も思っていなかった。ケイロスはロナウドがいたマンチェスター・ユナイテッドでアシスタントコーチを務めていたし、アレックス・ファーガソン監督に対してロナウド獲得を推薦した人物だからだ。

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