南野拓実の同僚が移籍市場の目玉。
19歳ハーランド移籍金は120億

  • 鈴木達郎●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 では、プレー面ではどうだろう。ハーランドは「僕は、力強い頑強なタイプのストライカーだね。点を取るのが好きなんだ」と自己分析をする。また、昨年夏までモルデ(ノルウェー)でハーランドを指導していた現マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)のオーレ・グンナー・スールシャール監督は、「彼は確実にトップクラスのストライカーになる。ロメル・ルカクのようなタイプを思い出させるね」と語っていた。

 ここから、将来のマンチェスター・ユナイテッド行きを推測する向きもあるが、その可能性は低そうだ。父親のアルフ・イング・ハーランドが、マンチェスター・シティで主将を務めていた2000-01シーズンに、ユナイテッドのロイ・キーンに故意にケガをさせられたことで(キーン自身が自伝のなかで意図的な接触だったと書いている)、引退せざるを得なかった因縁がある。

 マンチェスター・ユナイテッド行きの理由があるとすればスールシャール監督だが、そのスールシャール監督自身も常に監督交代が噂されており、どれだけ長く留まれるのか未知数だ。

 ハーランド自身も、ザルツブルクでチームとしてプレーする気持ちよさを実感している。「ザルツブルクは、ピッチ上では、選手からスタッフまで全員がお互いを信じ合っている。僕自身が彼らを信じ、彼らも僕を信じてくれていると感じられれば、全力を尽くすのは簡単なことさ」と話す。

 その一方で、将来的なキャリアアップも忘れない。「僕はプレッシャーが大好きなんだ。CLでハットトリック(第1節ゲンク戦)を決めて、誰もが僕の名前を覚えたことだろう」と強心臓ぶりも見せている。

 マーシュ監督も「間違いなく、彼は世界中のマーケットに名を知らしめた」とハーランドの才能に疑いの余地を挟まない。その一方で、家族を含めて彼の周囲の人びとが理性的な人間であることも理解し、適切なサポートを約束している。

「彼にはしっかりとした家族がついているし、(元プロ選手だった)父親もいる。彼には、地に足をつけ、しっかりとした土台がある。だから、今の(ブームのような)状況で、どう振る舞うべきなのかを心得ている。とはいえ、状況も変化してしまった。我々は、まだ若い彼がこの状況にうまく対応し、さらに成長できるようにサポートしていくつもりだ」(マーシュ監督)

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