森岡亮太「本当に完璧でした」。遊び心あるプレーでファンを魅了

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 森岡亮太がシャルルロワの攻撃陣を意のままに操っている。11月24日のシント・トロイデン戦では、相手DF陣の背後にロビングで美しいスルーパスを通し、カーベ・レザエイのゴールをアシストした。

「点を獲った選手(レザエイ)とのイメージが練習どおりでした。本当に完璧でしたね」

シャルルロワで攻守にわたって活躍している森岡亮太シャルルロワで攻守にわたって活躍している森岡亮太「華麗な10番タイプ」という印象の強いプレーヤーだけに、ベルギーメディアは森岡のポジションをフォーメーション表でトップ下に置くことが多い。だが最近は、少し低めの位置にコンバートされている。

 シント・トロイデン戦の森岡は、キックオフからしばらくボランチとフォワードをつなぐリンクマンのような役割をしていた。しかし、シャルルロワのプレスがハマらず、シント・トロイデンのパス回しに後手を踏むようになったため、前半15分頃からポジションを変更した。

「チームでブロックを組んで守り、僕もボランチとしてプレーするように指示を受けました」

 森岡はマルコ・イライマハリトラとボランチのコンビを組んだ。シャルルロワはカウンターの意識をより強くして戦ったわけだ。

 シャルルロワとしては、本当はもう少しポゼッションを高めて、より能動的にサッカーをしたいのだという。だが、シント・トロイデン戦ではどうしてもポゼッションがままならず、結局はカウンターに切り替えざるを得なくなった。しかしながら、そのカウンターの質が非常に高かった。

 森岡の魅力は、フェザータッチのスルーパスからビッグチャンスを創出するところだ。シント・トロイデン戦でも「シャペウ」と呼ばれる浮き技でマークを剥がし、遊び心を秘めたプレーでベルギーのサッカーファンを喜ばせている。

 森岡が最終ラインを低めに設定するシャルルロワのボランチを務めていることによって、時にはゴールライン際まで戻り、そこから相手のプレスに動じることなく中盤の空いたスペースに正確なパスを通すことができる。この森岡のパスからシャルルロワのカウンターのスイッチが入っていた。

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