オランダ代表が完全復活!暗黒時代を経て黄金期の再現を狙う (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images


 オランダ代表のクーマン監督は、AZでもホットラインを形成するステングスとボアドゥを11月の国際マッチウィークに招集した。そして、オランダ代表のユーロ出場を祝うためにエストニア戦に駆けつけた5万2000人の大観衆は、このふたりの見事なA代表デビューの目撃者となった。

 右ウイングとして先発フル出場したステングスは、判断ミスやボールロストも多く、必ずしもプレーの質は高くなかった。それでも、66分には相手陣内で敵ボールを奪ってワイナルドゥムのゴールをアシストし、78分はハーフウェーラインを越したところで相手をかわしてから鮮やかなスルーパスをワイナルドゥムに通し、この日ふたつ目のアシストを記録した。

 一方、AZやU−21オランダ代表ではストライカーを務めるボアドゥは、後半から左ウインガーとして登場。慣れないポジションながら高いキープ力と縦への推進力を披露し続け、87分にはワイナルドゥムとの大きなワンツーで危険エリアに抜け出し、胸トラップからゴールを決めた。

 マレン、ステングス、そしてボアドゥと、稀代のタレントをA代表に抜かれ続けているU−21オランダ代表は弱体化する一方のはずだった。だが、イングランドとの親善試合ではシールハウスとジャバイロ・ディルロスン(ヘルタ・ベルリン/21歳)のゴールによって、2−1で勝利した。

 年が明ければモハメド・イハターレン(PSV/17歳)がU−21オランダ代表、もしくはオランダ代表に入ってくるはずだ。まだ17歳の少年だが、今季PSVでブレイクを果たし、最近まで「サッカー籍をオランダにするのか、それともモロッコを選ぶのか?」という話題で持ちきりだった。

 オランダでは今、「マレン、ステングス、ボアドゥ、イハターレンといった若手たちが、ライアン・バベル(ガラタサライ)、スティーフェン・ベルフワイン(PSV)、スティーブン・ベルフハウス(フェイエノールト)などの主力と競って2020ユーロのメンバーに入るのか?」という論争が沸き起こっている。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る