2019.11.13

タイサッカーと日本人選手の意外な現状。
元代表でさえ活躍は難しい

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by AP/AFLO

 それに、いま外国人枠は7で、その内訳は一般外国人3、アジア枠1、アセアン枠3ですが、ブラジル人は多いし、多くのクラブのアジア枠は韓国人が占めています。韓国人選手の場合は、元代表でも日本人選手より安いらしく、実際に活躍している選手も多いです」

 J1や欧州で結果を残してきたハーフナー・マイクも、夏場以降は登録メンバーから外れるなど、いくら実績があったとしても、所属クラブとの相性が悪く、環境に馴染むことができなければ活躍するのは難しい。一方、村上は所属するチャイナートが16チーム中15位に沈み、来季の降格が決まったが、タイでの7年の経験があり、簡単なタイ語の読み書きもできるとあって、すでに来季の移籍に向けたいくつかの打診が届いているという。

「タイの場合は、サインするまで何もかもわからないですけどね。ただ、タイに来たらこちらに合わせることも必要で、そうした環境には慣れました。生活で困ることはもうないし、いまはタイに拘らなくても、少しでも長くサッカーをできる道を考えていけたらと思っています」

今年からタイの2部でプレーを始めた南部健造 村上がタイにうまく適応してきた選手なら、南部健造(27歳)はまだタイサッカーに足を突っ込んだばかりの新人だ。南部は東京ヴェルディのジュニア、ユースから、中京大学を経て、2015年にJ3のカターレ富山に加入。その後はJFLのブリオベッカ浦安で2年、FC大阪で1年プレーし、タイに辿り着いた。

 JFL時代は、週3回のサッカースクールなどで生計を立てていたが、プロへの道をあきらめきれずに、今夏トライアルを経てT2のカセサートに加入。リーグ後半戦のみの出場だが、主にFWやウイングバックで起用され、5ゴールを挙げた。

「代理人からは、いまは代表歴がないとタイでも来るのは大変だと聞いていました。実際に僕もいくつかのクラブのトライアルを受けて、移籍期限ギリギリでなんとかカセサートに入れた。JFLで3年やっていたので、環境への不満はまったくない。タイは暑いと聞いていましたが、真夏の炎天下のなか、昼間に開催されるJFLよりはマシですから(笑)。グラウンドがあってボールがあって、サッカーができるだけでも幸せ。来たことは、プラスにしかなってないです」