宮市亮、丸1年以上負傷なく連続出場。1対1にかける意気込みを語る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「そこ(1対1での勝負)を求められていますし、そこで打開してこその僕だと思うので、期待に応えられるようにまたやっていきたいと思います」

 ハーフタイムのヨス・ルフカイ監督の指示は、あくまで宮市に1対1の勝負をさせること。宮市はそのことを意気に感じていた。

「監督からの信頼もすごく感じるので、早く監督の期待に応えたい、勝利を勝ち取りたいっていうのはあります」

 ケガをせずに試合に出られればいいという段階は過ぎており、チームの主軸として監督の期待に応えようとしているのが今の宮市だ。

 このボーフム戦は、宮市にとって特別な試合でもあった。ボルトン時代のチームメイトで、尊敬する先輩でもある韓国代表イ・チョンヨンと初めて対戦したのだ。イは、宮市が負傷中も常に気にかけてくれた、プロ生活においてもっとも大事な友人のひとりだ。

 ボルトン時代は一緒にピッチに立つことがなかった。ともにドイツにやってきてからも、チームの対戦はあったものの、2人が直接相まみえることはなかった。この試合の前日には、「明日はいよいよピッチに一緒に立てるね」と電話で話をしたそうだ。

「今日は一緒にピッチに立ててよかったです。やはり彼がボールを触ると、すごく危ない感じがするので、あらためていい選手だなと思います。韓国の英雄みたいな選手ですけど、僕も追い越していけるように頑張りたいです」

 そのイも「リョウとはボルトン時代以来、ずっと仲良くしてきた。ケガで辛い時期があったけど、僕は彼のプレーが大好きなんだ」と、宮市について語る。

 試合後には、お互いの手に交換したユニフォームが握られていた。

 この引き分けでザンクトパウリは8位に後退したが、まだ巻き返す時間はある。当たり前に試合に出るようになった宮市は、チームを1部に導くことができるだろうか。

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