ロドリゴ抜擢から好転。レアルのスタメンがようやく固まった (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 バルベルデの台頭は目覚ましい。豊富な運動量でピッチを縦横無尽に走り回り、昨季のバロンドール選手ルカ・モドリッチからポジションを奪う勢いだ。さらに近い将来、今夏ジダン監督が獲得に固執した、マンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバを完全に忘れさせる存在になるかもしれない。

 鳴り物入りで入団したアザールは、リーガ開幕直前の負傷やプレシーズンの体重増加が影響し、本来の姿とは程遠い状況が続いていた。しかしここ最近は左サイドで切れ味を取り戻しつつあり、完全復活が近いことを匂わせている。

 そして今夏、ことあるごとに久保建英と比較されたロドリゴについて、誰が今の状況を予想しただろうか? デビュー戦で途中出場から初得点を決めると、ブラジル代表にも初選出され、一気にスター街道を歩み出した。さらに、ホームのCL第4節ガラタサライ戦のパフォーマンスは圧巻だった。18歳301日でCL史上2番目の最年少ハットトリックを記録している。

 また、タレントだらけのチームにあって、その攻撃の核がクラブ11シーズン目を迎えているベテランCFベンゼマであることに異議を唱える者はいないはずだ。皮肉にもフランス代表に選出されないことが功を奏し、トップフォームを維持。とくに昨シーズン後半から安定してゴールを決めている。ロナウド(ユベントス)在籍時は黒子に徹していたが、退団後はエースの自覚を持ちチームを牽引している。

 ジダン監督にとって現時点でのベストメンバーは、ロドリゴとバルベルデを新たにフィットさせ、ガラタサライ戦2試合とレガネス戦に勝利したイレブンで間違いないだろう。しかし手元にはまだ、余りあるほどのタレントが揃っている。

 先の長いシーズン、ケガから復帰してくるガレス・ベイルやハメス・ロドリゲス、まだフィットしているとは言い難いルカ・ヨヴィッチなどの新入団選手などをどのように組み合わせていくかで、今後頭を悩ませることになるはずだ。

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