鎌田大地が見せ場も「FWは難しい」。内弁慶のフランクフルトはEL後退 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AP/AFLO

「前半はやられてもいないし、自分たちも決定的なチャンスを作れていない。1試合目(前節のホームでのリエージュ戦。2-1でフランクフルトが勝利)も、相手はかなりブロックを引いて、守備はすごく組織的にやっていたので、簡単に崩せないというのは感じていたんです。今日も、相手は単純にいいチームだったし、自分たちに相手を崩すアイデアとかが、全体的に欠けていたかなと思う」(長谷部)

 後半に入ると、リエージュはボールを前から奪いにくる姿勢をより鮮明にした。リエージュはこの試合に負ければ一次リーグ突破の可能性がなくなる。なんとしても引き分け以上で終える必要があった。56分には先制に成功する。

 フランクフルトの唯一の得点が生まれたのは、61分に鎌田大地が投入されてから3分後のことだった。鎌田がドリブルを仕掛けると、ペナルティエリアまで1メートルもない地点で倒され、フリーキックを得た。フィリップ・コスティッチがこれを直接決め、1-1とした。

 途中出場の鎌田大地は、ベンチから、ドリブルが有効であると見ていた。

「外から見ていても、相手はマンツーマン気味にやって、フォワードが引いてきても全部ついてきて、強めに当たられたりしていた。難しいだろうけど、うまく前の選手が体をはってやらないといけないな、と。1枚はがせばチャンスになるなと思っていて、あのシーンはうまくドリブルができました」

 自らのドリブルには納得の表情だが、苦労も尽きない。この日はフォワードで投入されたが、「練習でもやっていない」と言うポジションでのプレーには困惑がある。

「今日みたいな試合では、フォワードで入りましたけど、かなり難しい。(鎌田が投入された時間帯は)ボールをうまくつなげなかったし、後ろからラフなボールというか、『頑張ってください』みたいなボールで、前(の選手)が体を張りながら......では、僕でなくても難しいと思う。そういうサッカーは、バイエルンのような上のチームとやる分にはうまくいって有効的ですけど、格下とか引かれた相手には、いつもああやって苦労しているので、もう少しチームとして工夫が必要なのかなと思います」(鎌田)

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