18歳の久保建英とロドリゴ。それぞれの「選択」が道を切り開く (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 もしウーデゴールが最初から身の丈に合ったクラブに移籍していれば、近道になったかもしれない。しかし、遠回りが必要な選手もいる。いずれにせよ、若い選手はピッチに立つことが大事だ。プレーする機会を失うと、瞬く間に輝きを失ってしまう。

 ラス・パルマスのペドリ(ペドロ・ゴンサレス)は、「次世代のスペインを担う」と言われる16歳で、ブラジルで開催中のU-17W杯にもエースとして出場している。得点に向かうドリブルは、凄みを感じさせ、すでにバルセロナと契約を結んでいる。今シーズン、2部BのバルサBでプレーする選択肢もあった。しかし、今シーズンは2部のラス・パルマスで継続してプレーすることを選んだ。若い選手にとって、できるだけ高いカテゴリーで試合を積み重ねるほうが、プレーヤーとしての"貯金"となるのだ。

 一方、17歳になったばかりのアンス・ファティは、バルサのトップチームでの生き残りをかけて戦っている。ライバルは、アントワーヌ・グリーズマン、ウスマン・デンベレといずれもワールドクラスだが、10月29日のバジャドリード戦で先発した。決して簡単な挑戦ではないが、少しずつ道を切り開きつつある。

 それぞれの選手にとって、ベストの成長プロセスがあるはずだ。

 ロドリゴは、ジネディーヌ・ジダン監督が求める仕事に適応するアタッカーだった。若いがボールを持ち運ぶ姿は馬力を感じさせ、守備でも精力的に動くことができる。攻守両面で強度の高いプレーがすでにできるのだ。

 そしてレガネス戦、予想どおり先発したロドリゴはリーグ戦初ゴールを決めた。積極的にゴール前に顔を出すと、カリム・ベンゼマの折り返しに足を延ばし、押し込んでいる。第6節のオサスナ戦で途中出場から記録したゴールに続き、2得点目だ。

「サイドバックのように走り、背番号9のストライカーのようにゴールする!」

 スペインの大手スポーツ紙『マルカ』はロドリゴの動きについて、そう称賛している。5-0の大勝の立役者のひとりになったわけで、トップチームでの地歩を固めたと言えるだろう。

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