ドゥンガも西川潤を絶賛。スカウトが
注目U-17W杯「金の卵」リスト

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 アメリカは残念ながらグループリーグで敗退してしまったが、キャプテンを務めていたジョヴァンニ・レイナは、確実に世界で注目される選手となるだろう。すでにドルトムントに籍を置いており、冷静で正確、インテリジェンスもある選手だ。

 アルゼンチンのマティアス・パラシオスは多くのヨーロッパのクラブが獲得を狙っている選手だ。勇敢で、攻撃的、彼がいるのといないのではチームは大きく違ってくる。
また、グループFを1位通過したパラグアイのスターはMFのフェルナンド・オベラール。すべての動きは彼なしには語れない。パラグアイリーグでは最年少のプロ選手であり、14歳9カ月で最初のゴールを挙げている。

 メキシコのスター、エフライン・アルバレスはアメリカ生まれで、ロサンゼルス・ギャラクシーで育ち、今ではチームの期待の若手だ。ボールを持った彼は常に危険で、今大会で最も得点差が開いた8-0の勝利(ソロモン諸島戦)の立役者でもあり、この得点差のおかげでメキシコは3位で決勝トーナメント進出を決めた。

 優秀なのはビッグチームの選手だけではない。アンゴラの10番、ジートは、今大会のグループリーグでの最優秀選手だと私は思う。聡明な選手で、もし私が監督なら何が何でも手に入れたいと思うだろう。彼はいついかなる時も自分が何をすべきかを的確に理解している。

 ブラジルを沸かせた日本人選手にも触れないわけにはいかない。日本の2トップ、西川潤と若月大和だ。大会を取材している記者や各チームの監督、スカウトたちの中で、彼らのプレーに驚かされなかった者はいなかった。また、彼らがプロチームに所属しておらず、いまだ学生であることが、さらに人々を驚かせた。

 西川は"創造者"だ。日本代表のすべての動きは彼から始まる。敵のDFより数的に劣る時、彼は常に最高のスペースを見つけ出す。そして何よりその強力なシュートは敵にとって脅威だった。西川に比べると若月はよりワイルドだ。ピュアな闘志を常に持っている。思考能力の早さと、スピードの速さが、彼を危険なストライカーに仕立て上げている。個人的にはそこに唐山翔自も付け加えたい。今の調子で成長を続ければ、世界でも通用する選手になるのではないかと思う。

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