吉田麻也が歴史的大敗を語る「相手の能力とテンポに対応できなかった」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 満を持して臨んだマンチェスター・C戦は、思わぬ形で始まった。開始13分でサウサンプトンがまさかの先制点を奪取。得点後はフィールドプレーヤーの全員で守備を固め、マンチェスター・Cの波状攻撃をひたすらしのいだ。

 しかし、70分に同点に追いつかれると、86分に逆転ゴールを被弾。強豪相手に善戦はしたが、1−2で敗れることになった。ミッドウィークに行なわれたマンチェスター・Cとのリーグカップを含めると、公式戦3連敗となった。

 ベンチスタートで出番のなかった吉田は、レスター戦から1週間の流れ、そしてマンチェスター・C戦について次のように振り返った。

「週の前半は、いい状況ではなかったです。カップ戦に負けた後も時間がほとんどないから、リカバリーに費やすしかなかった。

(マンチェスター・C戦は)守備でどこをどう徹底するか、だった。相手がサイドを突いてきて、バックパスしてクロスを上げてくる。こちらはひたすら守る。それはできていたと思う。できていたなかで、カウンターの1発が決まって、試合運びとしては完璧だった。

 だけど、やっぱり『70分から』というのが、シティのようなチームとやる時は肝になるというか。苦しくなるんですよね。やっぱり足も重くなってくるし、相手のサブも先発と能力が同じか、もしくはそれ以上の選手が入ってくるので。そこでの交代カードの切り方とかにしても......厳しいかなと思ったけど、やっぱり70分の壁が厚かった。

(記者:守備にまわる展開だっただけに、試合に出たかったのでは?)そりゃ出たかったですよ。出たいですけど、僕だけじゃなくてレスター戦に出た選手は、監督の決定に対して意見を言える立場じゃない。今はしゃべるよりもパフォーマンスで結果を導き出すしかない。我慢かなと。ちょっとずつ信頼と出場機会を増やしていくしかないです」

 レスター戦の直後は、チーム全体が大敗のショックに沈んでいた。吉田も「今日はしゃべることはないです」と、ひと言だけ言い残してスタジアムを後にした。

 あの試合、吉田はピッチの上で何を感じていたのか――。1週間が経った今、冷静にレスター戦を振り返った。

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