フランクフルトがバイエルンに歴史的大勝。長谷部誠は刺激を受けた (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Reuters/AFLO

 2点目はその8分後、パシエンシアからの縦パスを受け、コスティッチがペナルティエリア内の左から右へとラストパス、これをソウがやすやすと合わせネットを揺らした。バイエルンはCBボアテングがいなくなったからか、ゴール前でまったく対応できず、立ち尽くすばかりだった。後半にフランクフルトはさらに3点を追加した。

 バイエルンは中3日でチャンピオンズリーグのオリンピアコス戦、次節ドルトムント戦と、難しい試合が続く。インターナショナルマッチウィークも、多くの選手が代表に拘束されるため、仕切り直すことが困難だ。それでも4位で前半戦を折り返すわけにはいかないから、何かしらの手を打ってくるはずだ。

 この試合、長谷部誠と鎌田はベンチスタートだった。長谷部に関しては、今季もリーグ戦、ドイツ杯でフル出場が続いており「フィジカル的にフレッシュではない状態」と自覚していたという。メディカルチームからアディ・ヒュッター監督にその情報が伝わり、話し合いの末にベンチスタートが決まった。

 不出場に終わった長谷部だが、このベンチスタートは刺激的なものになったようだ。

「結局チームが勝って、センターバックで出た選手も点を取っているし、エバン(・ヌディカ)という左サイドの選手もすごくよかったと思う。久々の競争じゃないですけど、『自分ももう一回、やらなきゃいけない』という気持ちになりました」

 一方、前節ボルシアMG戦、ドイツ杯ザンクトパウリ戦とフル出場が続いていた鎌田は、後半19分からの出場だった。

「特に監督と話したわけではないですけど、連戦で疲れていたので。僕たちは、うまく選手もコロコロ代えながらできていると思うし、次の試合はチャンスがあると思うので、切り替えようと思います。

(バイエルン相手の大勝は)フランクフルトとしてもそうそうないことだと思うし、バイエルンが5-1で負けるというのは、たぶんドイツではなかなかないこと。うちのホームでの強さというのは出ていたし、どのチームでもうちのホームでやるのは難しいことなんじゃないかなと思います」

 今後、フランクフルトは中4日でヨーロッパリーグのリエージュ戦があり、その後中2日でフライブルクと戦い、インターナショナルマッチウィークを迎える。欧州戦のある強豪クラブはただでさえ過密日程を強いられるが、鎌田にはさらに日本代表に招集される可能性もある。

 バイエルン相手の大勝という喜びに浮かれる時間もなく、彼らはリカバリーと次への準備を始めている。

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