久保建英へシャビ・アロンソからの助言。「才能は間違いなくある」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 レガネスは最下位で、監督が辞任したばかり。マジョルカとは残留を争う直接対決で、どちらにとっても不退転の試合となる。

 1部でプレーできるのは、限られた者である。それは大変な栄誉で、夢に近い。そのなかでも、レアル・マドリードでプレーすることは栄光そのものだ。

 同紙はまた、マジョルカのサイドバック、フラン・ガメスも特集していた。28歳だが、2年前までは2部B(実質3部)が主戦場だったという。まさに、苦労人のシンデレラストーリーだ。

「人生が大きく変わったよ」

 ガメスはインタビューでそう答えていた。久保にしても、2年前はJ3の選手に過ぎなかったのだ。

 マジョルカに来る前、筆者は、かつてレアル・マドリードで欧州王者に輝いたシャビ・アロンソに話を聞いている。

――レアル・マドリードで華々しいキャリアを送ったあなたから見て、久保は成功できるだろうか?

 今シーズンからレアル・ソシエダのBチームを率いるシャビ・アロンソは、その質問に丁寧に答えてくれた。

「すべての久保のプレーを見たわけじゃないから、詳しいことは言えない。レアル・マドリードでのプレシーズン、カスティージャの試合、そしてマジョルカの試合も少しだけ見たよ。『才能はあるか?』と聞かれたら、『間違いなくある』と答えるだろうね」

 シャビ・アロンソは、そこで一拍を置いて続けた。

「ただ、戦える選手かどうかは、これからピッチに立って、久保自身が証明するしかない。チームを勝たせる貢献ができるか。そこがカギになる。でも、"違いを出せる選手"ではあるだろう。焦らず、じっくりと少しずつ前に進むべきだね。彼が持っている才能をピッチで出せるようになったら、自ずと結果は出るはずだ」

 そうエールを送ってから、こう付け足した。

「マドリードでプレーすることは簡単ではない。周りの要求はすごく高いし、満足してもらえることなんてないからね。重い責任を背負い続けながらプレーできるか。そのメンタリティが必要になるね」

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