伊東純也「あれは少し恥ずかしい」。
リバプール戦で好機にまさかの転倒

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFP/AFLO

 チャンピオンズリーグ(CL)第3節、ゲンクはホームに昨季の欧州王者リバプールを迎え、1-4と大敗を喫した。ホームの大声援にも後押しされ、ゲンクがボールを保有する時間帯もあった。チャンスもいくつか迎えた。だが、勝利にはほど遠く、失点はあまりにも多かった。それだけに、伊東純也の感想は複雑なものだった。

リバプール戦に先発、後半44分までプレーした伊東純也(ゲンク)リバプール戦に先発、後半44分までプレーした伊東純也(ゲンク)「(CL第1節の)ザルツブルク戦みたいに早く失点してしまいましたけど、そのあとはビッグチャンスに関してはこっちが多かったかな、特に前半は。(相手の最終ラインが高く)ボールを持たれるのはしょうがないということで、ブロックをひいてカウンターで......という狙いだったので、それが何回かうまくいってチャンスにつながったんだと思います」

 リバプールは試合開始早々、アレックス・オックスレイド・チェンバレンのゴールで先制する。だが、ゲンクに焦りはなかった。

「みんな、たぶん負けて当たり前だと思っているし......。いや、試合を見ている人たちがそう思っているだろうということですよ、俺たちじゃなくて(笑)。だからプレッシャーはなかったので、切り替えてやろうと思いました」

 昨季の欧州王者相手に「勝たなければならない」というプレッシャーを感じることはないはずだった。だが、頭ではそう思っていても、それは身体の動きとは必ずしも一致しない。それは伊東自身が迎えたビッグチャンスでもうかがえた。

 0-1で迎えた19分、右サイドでボールを受けた伊東はペナルティエリア内に侵入、DFデヤン・ロブレンと1対1になったものの、バランスを崩して転んでしまった。

「自分もチャンスがあったのにこけてしまったので、あれはちょっと恥ずかしかったです」

 伊東はもう笑うしかないというような表情で、その場面を振り返った。普通にシュートやラストパスを選択できていれば、大きなチャンスになったシーンだ。前半の早い時間帯でもあり、ここで追いついていれば試合展開も大きく変わっただろう。

「縦に行ってシュートを打つか、切り返すかと思ったら、力が抜けちゃって、そのまま倒れちゃったんです。ちょっと硬かったのかな」

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