レアル、バルサはCLで格下に辛勝。序盤はスペイン勢の低調がやばい

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 昨シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)。4連覇を目指し、決勝トーナメント1回戦でアヤックスに2-1で先勝しながらホーム戦で1-4と大敗、逆転負けを喫したレアル・マドリード。一方、準決勝で3-0と先勝しながら、アウェーの第2戦を0-4で落としたバルセロナ。CLの中心を彩ってきた2チームは昨季、それぞれショッキングな敗れ方をした。それらは単なる番狂わせだったのか。それとも必然性に溢れていたのか。

格下スラビア・プラハに辛勝したバルセロナのリオネル・メッシ格下スラビア・プラハに辛勝したバルセロナのリオネル・メッシ レアル・マドリードは今季、CLでいきなり強敵と対戦した。パリ・サンジェルマン(PSG)とのアウェー戦。結果は0-3の大敗だった。それ以上に懐疑的になったのはクラブ・ブルージュとの第2節だ。

 PSG、ブルージュ、ガラタサライ。レアル・マドリードが振り分けられたA組は、2強2弱の無風区と見られていた。なかでもブルージュは、これまでの実績から見て泡沫候補と目されていた。そうした相手にレアル・マドリードが2-2とホームで引き分けることは、これまで考えられなかった。アヤックスに大逆転負けするより衝撃的だった。2戦を終了して勝ち点1(得失点差-3)は、この時点でA組の最下位だった。

 第3節の相手は長友佑都のいるガラタサライ。もしこのアウェー戦に敗れれば、グループリーグ突破が危うくなる目の離せない一戦だった。

 レアル・マドリードは開始早々、相手FWフロリン・アンドネに不用意な守備から危険なシュートを浴びる不安定な立ち上がりを見せた。先行きが案じられたが、18分エデン・アザールのパスを受けたトニ・クロースが先制ゴールを決め、そこでようやく落ち着くことができた。

 レアル・マドリードにとって幸いしたのは、ガラタサライが守備的な3バック(3-4-1-2)を敷き、引いて構えてくれたことだ。立ち上がりからバタバタしていたチームにとって、これは歓迎すべき戦法だった。

 ところが、レアル・マドリードはその後、ゴールを奪うことができなかった。クロースのゴールが決勝点となった。

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