マンネリを打破できるのか。プレミア2強のシーズン序盤を考察 (3ページ目)

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中山 今季は、いろいろな意味でクロップ監督にとって勝負のシーズンですね。現在のペップ・グアルディオアラ監督(マンチェスター・シティ)を見ていて思うのは、昨季まであれだけの強さを維持しながら、もう今季は序盤から勤続疲労と言えるような綻びを見せてしまっていることです。強者のサイクルが確実に短くなっているなか、クロップ監督はメンバーをほとんど変えないというアンチ現代な手法でそれを乗り越えようとしています。もしこのスタイルを貫いてプレミアタイトルかCL優勝を成し遂げたら、それはかなりエポックメーキングな出来事になるでしょう。

倉敷 気になるのが3トップですね。モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネのセットは3シーズン目に突入です。近年の魅力的な3トップといえば、バルセロナ、レアル・マドリー、ナポリなどに存在したわけですが、すぐにサイクルの終わりが来て、誰かが飽きてしまったり、誰かがチームを離れてしまったりで同じ3トップが長く続いたという印象がありません。優秀な選手のセットほど飽きるのも早いものです。

小澤 周囲の飽きは絶対にありますが、それ以上にピッチ上での存在が絶対的になりすぎるとチームとしての依存度が高くなり、11人のひとりとして担うべきタスクの選手間のバランスが歪になる傾向にあります。すでにサラーに対しての守備面でのハードワークやタスクは軽減されていますが、今度はそれが加速する可能性がありますし、その時に彼の分を担う選手の負担がより大きくなっていった時に3トップ、チームがどう変化するのかは注意して見守っていきたいところです。

倉敷 リバプールはまだ頂上に向かって登っている最中なのか、じつはもう頂上から下りはじめているのか。そこはまだなんとも言えませんが、たとえば連敗したときすぐに立て直せるのかという興味はありますね。

中山 今季はまだCL初戦のナポリ戦しか負けていませんからね。というか、昨季のプレミアでも1敗だけですから、なかなか連敗を経験することがない。そういう点でも、連敗後のリアクションには興味は沸きますね。もっとも、プレミアのスケジュールを見てもリバプールが連敗しそうな予感がしません(笑)。

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