バイエルン&ドイツ代表を「結果の出るニュースター」がけん引する (4ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 ただ、そのロッベンと同様に、懸念されるのが筋肉系のケガだ。スピードが武器の選手特有の問題で、爆発的な力を引き出す速筋の量が多いことが理由として挙げられる。ホッフェンハイム時代に、ニャブリの体を検査したナーゲルスマンは、「セルジュはスピードとパワーに秀でたタイプだ。速筋の量が圧倒的に多い。速筋(瞬発力系の筋肉繊維)は、遅筋(持久力系の筋繊維)に比べて、疲れやすく、ケガをしやすい。気を使わないといけないんだ」と説明する。

 幸運にも、この10年の間にサッカー界のケガへの対処法や食事・休息を含むリカバリーの重要性が大きく注目され、ケガを予防するテクノロジーもますます発展している。バイエルンでもコンディションを見ながら、出場時間の調節をしていることが伺える。昨季は長期離脱もなく、公式戦の42試合に出場できており、市場価値はますます上昇し続けている。

 バイエルンに加入した当時1500万ユーロだった史上推定価格は、6000万ユーロ(72億円)まで上昇、3年間で自身の価値を24倍にした。ニャブリがもはやバイエルン、そしてドイツ代表で不可欠な存在となったことを示している。

 バイエルンでの1年で国内タイトルをすべて勝ち獲ったニャブリにとって、目標とするのは「欧州チャンピオンズリーグ制覇」。"新生"バイエルンを代表するひとりとして、2013年以来の"トリプル(3冠)"達成を目指す。

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