久保建英にいま必要なこと。レアル戦では「焦り」が見え隠れした (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 その間、チームはこの大一番に備え、入念な準備をしてきたはずだ。しかしそこに久保はいない。監督がスタメン候補としてイメージしにくくなるのは当然だ。

 久保がマジョルカにやってきたのは8月末。デビュー戦は9月1日のバレンシア戦で、後半34分からの出場だった。だがその直後に帰国。パラグアイ戦(9月5日)、ミャンマー戦(9月10日)を戦う日本代表メンバーに招集された。

 次戦のアスレティック・ビルバオ戦(9月13日)が、後半18分からの交代出場になったのは、久保の行動スケジュールを考えれば当然と言えた。

 続くヘタフェ戦は前半19分からの交代出場。出場時間は11分→27分→71分と伸び、次戦アトレティコ・マドリード戦でついにスタメン出場の座をつかむ。フル出場も果たした。続くアラベス戦もスタメン、フル出場。軌道に乗ったかに見えたが、第8節のエスパニョール戦では再び先発を外れ、途中交代に甘んじることになった。

 このタイミングで久保は再び、チームを離れ帰国。モンゴル戦、タジキスタン戦を戦う日本代表に合流した。

 代表ウィーク明けに行なわれる第9節レアル・マドリード戦のスタメンが難しそうなことは、これまでの流れから容易に想像できた。

 モンゴル戦、タジキスタン戦のメンバー発表記者会見で森保一監督はこう述べている。

「欧州でプレーする選手は、所属のクラブから日本代表に戻ることは、体調を崩して帰ってくるものと考えられている。ポジションを失うかもしれないという覚悟を持って日本のために戦っている。実際、チームに戻ると多くの選手は、1試合ぐらいはスタメンで出られない。途中出場かあるいはベンチで終わる。そうした難しい状況のなかでポジションを奪い返し、チーム内で存在感を示してきた。そういう選手たちなので、今回の日程はタイトですが、その時にできるベストをしっかりと出してくれると思いますし、このタフな状況を戦うことは当たり前だと覚悟を持ってやってくれているので、心配はいらない」

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