鎌田大地は「大迫のよう」と敵地が評価。代表でその実力を発揮できるか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 前出の 『ヴェーザー・クリール』紙は、鎌田をこう評している。

「(アディ・)ヒュッター 監督の採用する3-4-1-2システムのなかでは、トップ下として完璧な選手だ。ファーストタッチは力強く、素早くダイナミックにゴールを狙う。周囲をよく見ており、賢く周りの選手を使うことができる。このあたりは少し、うちの大迫に似ている」

 ストライカーとしての評価というよりも、2列目の選手として、力強さと知性を兼ね備えた面を大迫に重ねているようだった。

 今回の日本代表入りも、大迫が負傷により参加できないからこそ、その代役としての役割が期待されている。実際、いつまでも代表の1トップが大迫頼りでは困るのは確か。もうひとつの選択肢として鎌田にチャンスが回ってきたわけだが、記事にもあるように、現地ではそのポストプレーや得点力に言及しながらも、結局はトップ下の選手として評価されている。日本代表でどのような使われ方をするのかにも注目したい。

 鎌田本人は「2枚フォワードがいるときのトップ下がやりやすい」と言う。ブレーメン戦はパシエンシア、アンドレ・シルバの2トップだった。だが、相手によってチームは3トップになることもある。これについては「3トップの感じは難しい。でも、与えられたポジションでできないとダメ。試合に出られているというのは当たり前のことではないので、しっかりとその時、その時でやっていかないといけないと思います」と話している。

 鎌田にとって、今季は欧州での3シーズン目だ。2017年夏にフランクフルトに入団するが、まったくと言っていいほど活躍できず、昨季はベルギーのシント・トロイデンで実戦を積み、フランクフルトに戻ってきた。

「去年、僕は4大リーグに戻ってくることだけを考えながら、プレーしていました。4大リーグでプレーすることに意味があると思う。こういう(ブンデスのような)リーグでプレーしていかないとダメだと思います」

 悔しい思いをしながら、ベルギーで結果を残し、フランクフルトで定位置をつかんだ鎌田は、シント・トロイデン時代(今年3月)に招集された時との違いを発揮できるか。鎌田にとっては勝負の代表ウィークとなる。


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