ブンデス2部で明暗。笑顔の宮市亮、出場ゼロの遠藤航、悩む原口元気 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

「ボランチの選手がボールを持てるので、もうちょっといい形で受けたいけど、『(前線に)張ってろ』という指示が多くて。張っていてもいいんだけど、今日は対面がオリバーで(こちらのプレーを)わかっているから、張りつかれてスペースを作らせてもらえなかった、裏へのボールに対してはセンターバックがいいカバーをしていたし、隙がなかった。あれで前半0-0ならオープンな展開になったと思うけど、0-3だからそうはならなかったですね」

 スロムカ監督はボランチのデニス・アオゴと右SBのユリアン・コルプを下げて後半をスタートさせた。本来、原口の走力や突破力は、相手に疲れが出る後半にこそ際立つのだが、スロムカはこの交代で原口を右SBでプレーさせることにし、攻撃に別の選手たちを投入した。

 原口にとって悩ましいのは、いつもここだ。スタミナがあり、チームに献身的である。一方、早い時間帯になかなかゴールに絡めない。ただ、ベンチサイドとしてはピッチには置いておきたい。だからサイドバックに下げて起用、ということになるのだ。

「去年のような失敗はしたくないんです。後ろもできちゃうから、得点が必要な時に、さらに攻撃的な選手を入れて、自分を後ろにさげるというのは去年もよくあった。結局プレーはできるけれど、自分がどこの選手かといったら、やっぱり前の選手、そこで違いを作っていかないといけない。前半の感じでやれたら、後半はチャンスがあったかなと思いましたけど......」

 課題はわかっている。必要なのは前線で違いを作ること。それを作ることができていないと下げられてしまうということだ。

「感触は悪くはないし、ボールフィーリングもコンディションもいいので、気持ちよく仕掛けられるシーンがあればいいんだけど、なかなかそういう形を作れなかった。今日は相手もうまく研究してきて、自分たちが気持ちよくプレーできないようにやってきたので、ちょっと予想外だった。次ですね」

 何といってもチームは15位だ。クラブがいつ監督交代などの手を打ってもおかしくない状況だ。今後、訪れるであろう変化のなかで、原口はどう自分自身を見出していくのか。

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