堂安律の序列が上がった!初ゴールを決められた3つのポイント (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 そして3つ目は、「使われなくなってもいいから、積極的にプレーする」という試合前の思いを、ピッチで表現しきったことだ。

 堂安がベルフワインからのラストパスを受け、シュートモーションに入るか入らないかといったタイミングの時、フリーのマレンが「ドーアーーーン!ドーアーーーン!」と甲高く叫び、ボールを要求していた。おそらく、堂安の身体の角度とボールの置き位置から、マレンの姿は見えていたはずだ。しかし、堂安は自らシュートを打ちにいって決めた。そこに迷いはなかった。

「(GKに弾かれた65分のシュートの)フィーリングはよかったですけれど、ああいう中途半端な高さより、(ゴールシーンのように)ゴロのほうが入りやすいと感じました。去年でいうと、ヘーレンフェーン戦みたいなゴールもありました。

 もっともっと、ああいう角度は『あそこで堂安が持ったら絶対に入る』くらい極めていかないといけない。フローニンゲン→PSVといったらアリエン・ロッベンというお手本がいるので、映像を見ながらしっかりやっていきたいと思います」

「去年のヘーレンフェーン戦みたいなゴール」とは、ペナルティエリアすぐ外やや右サイド寄りから決めた、豪快かつ美しい軌道を描いた「北部オランダダービー」でのスーパーゴールのことだ。あの時の恐怖を思い出せるようなミドルシュートで、堂安はズヴォレのGKにジャブを打ってから、最後は巧みにコースを狙うシュートを使って今季2ゴール目を決めた。

「ふたケタゴールを本当に狙っている。初めてというくらい、目標を公表して今シーズンに臨んでいる。シーズンの終わりにオリンピックもあるなか、しっかりと残り8点、獲りたいと思います」

 別れ際に、堂安が「俺の最初のゴール、ズヴォレ戦だったの、覚えています?」と言った。2017年9月30日に行なわれたズヴォレとのアウェーゲーム、堂安は相手DFとGKの股間をダブルで抜くシュートを決めた。

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