ポストメッシ&ロナウドの最有力候補。CLルーキー3人を見逃すな (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFP/AFLO

 CLでは、セリエAのアタランタ戦で先発デビューを飾っている。開始早々、ドリブルでエリア内まで持ち込み、相手を撹乱。鋭いステップで1人を地べたに這いつくばらせ、左足でシュート。その攻撃の流れで先制点が生まれた。

 同じく前半、左サイドでパスを受けると、相手を引き寄せてからのパスで、完全に裏を崩す。その折り返しのパスが2点目につながった。前半の終盤には、自陣で相手を背負いながらトラップだけで置き去りにし、ドリブルで攻め上がった。敵陣、左サイドで一度、自分にDFを集めた刹那、インサイドでフリーになった味方にパスし、3点目が生まれた(結果は4-0で勝利)。

 落ち着いた様子で起点を作り、リーダーの風格さえ漂っていた。

 CL本戦への出場は初めてのオルモだが、実は昨シーズンは最終プレーオフまで勝ち進みながら敗れている。今シーズンも予選を勝ち上がって、出場の権利を得た。ここまで5試合に出場し、3得点3アシストと、すでにチームを牽引している。

 オルモはバルサの下部組織で育ったが、16歳のときにクロアチアに渡っている。プロ選手として出場機会を求めた結果で、クロアチアリーグの2部に在籍するザグレブのセカンドチームで2年間経験を積み、3年目からポジションを得た。昨シーズンはリーグ最優秀選手賞を受賞。若くしてプロとしてのキャリアを重ねてきた。

 今シーズンは満を持してのCL挑戦で、オルモは一気にスターダムを駆け上がるかもしれない。

 そして最後のひとりは、バルサのギニア・ビサウ人FW、アンス・ファティ(16歳)だ。

「年齢よりもずっと成熟している」

 バルサのエルネスト・バルベルデ監督がそう語るように、16歳には見えない。今季、トップチームでリーグ戦デビューを果たすと、8月31日のオサスナ戦で、バルサ史上最年少得点を記録。ファーポストでクロスを呼び込み、豪快なジャンプからヘディングで叩き込んだ。

 驚くべきは、次のバレンシア戦だった。クロスに合わせて再びゴール。さらに、左サイドを走るだけでDF1人を無力化すると、その後の1対1も制し、得点をアシストした。左右どちらのサイドでも、中に切り込むことも、縦を突破することも、臨機応変にプレーできる。また、メッシと同様、中央でプレーメイクするのも得意とする。ヘディングも強く、オールマイティな選手だ。

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