トウェンテ中村敬斗が大暴れ。1G1Aに「1レッド、笑えないけど」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by VI Images/AFLO

「練習で、以前から監督に求められてきたことだったんです。逆サイドからボールが来た時には走る。『ディフェンスの背後から走ると相手もわかりにくいし、抜けたらビッグチャンスになるから』と言われていて、練習でもやっていたので。試合ではなかなかそういう形が狙えていなかったのが、最近は徐々にフィットしてきました」

 フィットするというのは新加入選手にとって重要なテーマだ。だが、それには時間もかかる。中村にとってラッキーだったのは、代表戦ウィークにじっくりチームと向き合えたことだ。

「最初のほうはポンポンと点を入れられたのに、最近の3試合なかなか難しい試合だったんですけど、この一週間、代表ウィークで(試合が)空いて、チームで練習できたことが自分にとってプラスになっていて、これでよりフィットしました。練習からもっと自分を出せるようになったので、今日の試合は自信を持って臨めたというのが正直なところです」

 前半24分のチームの2点目は、中村がプレスをかけてボールを奪ったところから始まった。いったん味方につけ、そのリターンを受けた中村がハビエル・エスピノサに預ける。エスピノサはドリブルで運びネットを揺らした。

「今日は左で連動して奪えていたし、プレスも早くいけていました。僕はこの2点以外にも、もっと点を取れるチャンスがあったと思う。でも、点を取る以外のプレーもよくなっているのは事実です」

 そう話す中村は、この試合で何かをつかんだ様子だった。

 試合終了の時点では、出場停止などの処分が決定しておらず、次節ヘラクレスとのダービー戦への出場を切望。「正直、いい流れなので、この流れを切りたくないんですよね。(出場可能になることを)祈るしかないです」と話していた。

 だが、試合翌日に2試合の出場停止が決定(うち1試合は執行猶予)。ダービーへの出場は叶わず、連続先発出場も6で途切れた。上昇気流をつかみかけた矢先の小休止は残念だが、ここは気持ちを切り替えて、こうした機会を利用して心身をリフレッシュすることも大事だろう。

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