アザール、ネイマールも復帰。初戦から強豪激突、今季CLの見どころ (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Reuters/AFLO

 初戦でレアル・マドリードと対戦するPSGでも、週末のフランスリーグ、ストラスブール戦で、バロンドール候補が復帰を果たした。バルセロナへの復帰を望んでいたネイマールだ。結局それは実現せず、PSGに残留することになった。地元ファンから冷たい扱いを受けていたが、チームがCLで悲願の初制覇を狙うには不可欠な存在だ。こちらもアザール同様、初戦の大一番を前にした国内リーグに満を持して登場してきた。

 PSGは現在、エディンソン・カバーニ、キリアン・ムバッペらが故障で戦線離脱中。レアル・マドリード戦は、ネイマールが復帰しても苦戦必至とみられるが、今季の開幕を飾る一番の好カードであることに変わりはない。

 両チームが所属するA組は、この他にクラブ・ブルージュとガラタサライがいる。日本人チャンピオンズリーガーのひとり、長友佑都が左サイドバックとして相変わらず頑張っているガラタサライは、10月1日にPSGと、10月22日にレアル・マドリードと対戦する。長友にとっては、代表戦よりもこちらの方が何倍も晴れ舞台に相当する。活躍を見守りたい。

 昨季のCLを制したリバプールは攻撃型のチームだ。モハメド・サラーを中心に、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノのFW陣がまず取り沙汰される。しかしブックメーカー各社が2019年のバロンドール本命として推しているのはリバプールの別の選手だ。センターバック(CB)のフィルジル・ファン・ダイク。もしその予想が的中すれば、攻撃系の選手以外が獲得することになるわけで、それは2006年のファビオ・カンナバーロ(現広州恒大監督)以来13年ぶりの快挙ということになる。

 上記のアタッカー陣は、こう言っては何だが、替えが利く。サラーがいなくても、他の選手で補うことができる。だがファン・ダイクは難しい。チームにとって欠けたら最も困る一番の選手になる。いまや欧州一と言うより世界一のCBといって過言はない。

 そのリバプールが初戦で対戦する相手は、名将カルロ・アンチェロッティ率いるナポリだ。両者は2年連続、グループリーグで対決することになった。昨季はPSGと三つ巴の争いになり、リバプールが総得点の差でナポリを抑え2位に滑り込んでいる。その段では正直、リバプールが優勝しそうなチームには見えなかった。それを機に調子を上げていった印象だ。

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