ポルトガルで戦う安西、前田は活躍も、中島、権田は苦しいスタート (2ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 第4節が終了した段階で、中島がプリメイラ・リーガにおいて出場したのは、第2節ビットリア・セトゥーバル戦のわずか1試合のみ。しかもベンチスタートで、後半ロマーリオ・バローに代わりピッチに立った時、ポルトは4-0でリードしていて勝負はほぼ決まっていた。プレーしたのはわずかに23分間だけで、中島は試合で自らの存在を示すだけの活躍を見せることもできなかった。

 中島がポルトにおいて公式戦デビューを飾ったのは、8月13日に行なわれたチャンピオンズリーグ予戦3回戦、対クラスノダールのセカンドレグだった。中島はこの試合先発で出場している。

 ポルトはファーストレグを0-1で勝利していたが、セカンドレグはホームで戦いながらも、2-3でまさかの敗戦。アウェーゴールの差によって、チャンピオンズリーグ敗退が決まってしまった。ポルトにとってはまさに悪夢のような出来事だった。中島は先発で出場しながらも、重要な試合で貢献することができなかったのだ。

 8月24日にエスタディオ・ダ・ルスで行なわれた第3節、ベンフィカとのクラシコ(2-0で勝利)を、中島は妻の出産に立ち会うために帰国したため、欠場した。その後1週間以上練習を休み戻ってきた中島だが、彼を取り巻く状況は、レギュラーポジションを争うどころか、18人の招集メンバーに入るために毎試合競争していかなければならなくなっていた。

 第4節ギマラインス戦は、ポルトが3-0で勝利しているが、この試合、中島は招集されていない。

 第4節を終えたプリメイラ・リーガは代表戦が行なわれるため休止期間に入っているが、中島にとっては失われた時間を取り戻すために、とくにコロンビア人選手のルイス・ディアスと争っていくために、重要な時となるはずだ。中島は日本代表メンバーに選ばれて、ポルトガルを離れた。

 もう一人の日本人選手、マリティモのFW前田大然は、能力の高さを第1節スポルティング戦から見せた。ベンチスタートだったが57分からピッチに立つと、強豪を相手にとても危険な存在であることを示したのだ。彼が放ったシュートはゴールの右ポストをたたいた。それが決まっていたらマリティモの勝利となっていたはずだった。

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