イングランド代表、開幕3連勝でもダメ出しの声があるのはなぜ? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかし、「予選突破」を第一に考えるガレス・サウスゲート監督は、新旧バランスの取れたメンバー構成を選んだ。FWハリー・ケインとFWラヒーム・スターリング、DFハリー・マグワイアの主力選手を軸に、中盤はジョーダン・ヘンダーソン、ロス・バークリー、ライスの3人で編成。サイドバックは、アレクサンダー=アーノルドやチルウェルの若手選手でなく、キーラン・トリッピアー(右)とダニー・ローズ(左)の中堅を入れた。

 大方の予想どおり、試合はイングランドがボールを保持して攻め込む展開で進んだ。ブルガリアは5-4-1の守備的な戦術を選択。フィールドプレーヤー全員で守備を固め、攻撃はカウンターに狙いを定めた。

 イングランドがボールをキープして相手の隙をうかがうなか、24分に相手ゴールキックのパス回しを奪い、ケインが先制点を奪取。「後半立ち上がりに追加点を挙げて、試合を決めるように」と、ハーフタイムにサウスゲート監督から指示があったと明かすケインが49分にPKで加点すると、この時点で決着がついた。

 若手組では、67分からマウントが途中交代で出場し、代表初キャップを記録。71分からサンチョも交代でピッチに入った。その後、ケインがもう一度PKを成功させてハットトリックを達成し、イングランドが4-0で圧勝した。

 これでイングランドは、同予選で無傷の3連勝。チェコ戦(5-0)、モンテネグロ戦(5-1)、そしてブルガリア戦(4-0)といずれも大勝し、本戦出場に向けて順調に歩みを続けている。

 しかし、英メディアは手放しで喜んでいるわけではない。理由のひとつが、予選で同居した相手がいずれも力で劣っていることだ。

 FIFAランキング4位のイングランドに対し、43位のチェコ、55位のモンテネグロ、60位のブルガリア、120位のコソボと、力に大きな開きがある。2014年のW杯ブラジル大会(グループリーグ敗退)と、2016年の欧州選手権フランス大会(ベスト16敗退)がそうであったように、欧州予選をスムーズに突破しても、本大会での躍進が約束されているわけではない。

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