レアル下部組織の監督が中井卓大に期待。「上に行ける可能性がある」 (3ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

――9歳からレアルのカンテラで育ってきた中井の印象は?

「ピピ(中井の愛称)の特徴は、ボールを落ち着かせることができること。その点でいえば、レアルだけではなく、スペイン中の同年代でもトップクラスの能力がある。チームの攻撃は彼を経由して始まることが多いし、ボールコントロールというスペシャルな武器を持っていることが彼の強み。今はボランチが主戦場で、チームのシステムが変われば前めのポジションでプレーする時もあるが、彼には自分なりのスタイルを見つけてほしいね」

――これまで、複数のカンテラ関係者に彼の評価を聞いてきましたが、やはりボールコントロールが優れていると口を揃えた一方で、守備面を不安視する声も多かったですが。

「たしかに、以前は守備で物足りない部分があったけど、今は格段によくなった。どんなにいい選手も、現代サッカーではデイフェンス力が求められるから、それは大きな成長だよ。今のピピは、攻守でチームに貢献できる選手になったね。ゴール数も増えてきたし、まだまだ伸びていくと思っている」

――彼がトップチームに上がる可能性はどのくらいあるでしょうか。

「ピピに限らず、世界中のどんな選手でもレアルのトップチームに上がることの難しさは、日本のファンやメディアの人間もしっかりと理解しなければならない。クラブの歩んできた歴史、ブランド、エンブレムの重さ、競争力も含め、すべてが世界トップクラスだからね。ただ、ピピのポテンシャルは計り知れないし、人間的にも上に行ける可能性が十分にある選手。私個人としても大いに期待しているよ」

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