堂安律のPSVへのステップアップに刺激。
板倉「負けてられない」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 8月31日に行なわれたPSV入団記者会見で、堂安律はこう語った。

「ステップアップに一番適したクラブだと思います。ただ、それだけじゃないクラブなので、優勝を狙わないといけないというプレッシャーも毎試合ある。ヨーロッパリーグ(グループリーグ)進出を決めましたが、チャンピオンズリーグでプレーできるクオリティのあるチームだと思うので、そういうプレッシャーとも戦える。そういう面も、このチームを選んだきっかけになりました」

名門PSV移籍というステップアップを果たした堂安律名門PSV移籍というステップアップを果たした堂安律 今季のオランダリーグは、アヤックスが優勝の大本命で、PSVは2番手、そしてフェイエノールト、AZ、ユトレヒトが3位を争うという予想が一般的だ。日本人選手がオランダリーグで優勝したことは、まだない。PSVというオランダ屈指の名門に入った堂安には、その第一号を目指してがんばってほしい。

 堂安のいなくなったフローニンゲンは、入団会見の5時間後にヘラクレスと戦い、1-2で敗れた。板倉滉は4試合連続でフル出場を果たした。

 オランダ人の映像撮影チームが試合後、板倉に「インタビューをさせてほしい」と訊ねてきた。彼は私に、「なるべく自分で答えますので、わからなかったら通訳をしてください」と言った。

 最初の質問に対し、板倉は英語で答えた。その次からは「日本語で答えてくださってけっこうです」ということになったが、それでも質問は英語だ。板倉はしっかりとそれを聞き取り、的確に答えを続けた。私の助けは、まったくいらなかった。

 今年1月に板倉がフローニンゲンに移籍した頃、堂安が「僕が滉くんの通訳をしているんですよ」と話したことがあった。その後、板倉は日本代表の一員として、6月のコパ・アメリカに参加。オランダからはふたりの記者が来ていて、試合後に板倉のインタビューを行なった。彼らは満足そうに「滉の英語はよかったよ。いい話が聞けた」と満足そうだった。

 ヘラクレス戦後、板倉は「僕もそのことを、すごく覚えています」と言った。

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