2019.09.05

華麗なる変身で開幕3連勝。新生
アトレティコ&シメオネの戦術とは

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by REUTERS/AFLO

 そのおかげで、相棒のFWであるジエゴ・コスタ、アルバロ・モラタは、持ち味を発揮できている。中盤のコケ、サウール・ニゲスの球出しのスピードも飛躍的に上がった。攻撃の主導権を握ることによって、守備も堅さが増したのだ。

 今までの守備主体の戦い方とは、逆の発想と言えるだろう。

 J・フェリックスだけでなく、多くの新加入選手が定位置を勝ち取っている。イングランド代表右サイドバック、キーラン・トリッピアー(←トッテナム)、スペイン代表センターバック、マリオ・エルモソ(←エスパニョール)、ブラジルの新鋭左サイドバック、レナン・ロディ(←パラナエンセ)、スペイン代表MFマルコス・ジョレンテ(レアル・マドリード)。昨シーズンと比べ、先発メンバーの半数以上が入れ替わった。他にもメキシコ代表MFエクトル・エレーラ(←ポルト)、ブラジル代表センターバック、フェリペ(←ポルト)などがベンチで出番を待っている状況だ。

 実はアトレティコは、昨シーズンから攻撃的な戦いにトライしていた。スペイン代表MFロドリを獲得したのもその一環だったが、波が大きかった(ロドリはマンチェスター・シティに移籍した)。また、ディエゴ・ゴディン、フアンフラン、フィリペ・ルイスなど勝ちパターンを作ってきた主力が多く残っていただけに、切り替えるのに時間を要したのだ。

「今シーズンは新たに加入した選手が多く、役目や責任を与え、チームを作り直している。我々はとにかく勝ちたい。とことん、勝ちたい。その思いは同じで、選手が入れ替わるなかで、それぞれの競争も高まっている」

 シメオネは言う。

 競争は多様性を生み出した。選手のキャラクター次第で、システムを変えられるようになった。たとえばJ・フェリックスは2トップの一角が有力だが、サイドにも回る。エイバル戦は、前半は4-4-2で中盤はダイヤモンドに近かったが、後半は4-2-3-1に変更。すると、スペイン代表MFビトーロ、19歳のスペイン人アタッカー、ロドリゴ・リケルメなど途中出場の選手が流れを変えた。