王者盤石のブンデスリーガ展望。長谷部誠ら日本人は定位置確保で期待大 (4ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 だが、長谷部が「見違えた」と評価する鎌田大地は、ベルギーのシントトロイデンから復帰後、トップ下の"10番"として覚醒。存在感を発揮している。新加入のオランダ人ストライカーのバス・ドストも、第3節で早々に得点を決めるなど調子は上向きだ。

 予選を勝ち抜き、ヨーロッパリーグの出場権も獲得。昨年の快進撃をもう一度再現すべく、士気は高い。昨年の経験を活かし、リーグ戦でも昨季の成績を上回れるか期待される。

 ブレーメンは、昨季まで主将を務めたエースのマックス・クルーゼが抜けたことで、日本代表アタッカーの大迫勇也に期待がかかる。

 フロリアン・コーフェルト監督は、大迫の能力を高く評価しており、今季の攻撃は大迫を軸に組み立てられると地元紙も予想している。今季スタートは守備陣にケガ人が続出し、安定した成績を残せていない(6得点8失点)。だが、第3節のアウクスブルク戦では大迫が2発の大活躍で今季初勝利に貢献、"エース"の地位を確立しつつある。

「トランスファーマルクト」のチームの推定市場価格では、11位(1億6498万ユーロ/約206億円)のブレーメン。昨季、ヨーロッパリーグ出場権が視野に入ったときは、地元の番記者たちも驚くほどの成長を見せた。今季の現実的な目標は、順位表の上半分に入ることだろう。

 ここまで見て、今季のブンデスリーガのタイトルレースは、バイエルンが本命。毎年、チーム内外のゴシップが出てくる10月下旬、11月上旬の難しい時期を乗り切れるかどうかがカギとなる。対抗としてドルトムント、ライプツィヒが2番手として追う展開。熾烈な競争となるのは、今季もUEFAチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの出場権を争う3番手、4番手のグループになりそうだ。

 日本人選手は、長谷部誠、鎌田大地、そして大迫勇也がそれぞれ所属クラブでレギュラーの座を獲得。ケガさえなければ、主力の座を失うことはないだろう。国際Aマッチウィーク以降は、UEFAの大会の本戦も始まり、いよいよ今季も本格的に動き出す。白熱のタイトルレースになることを期待したい。

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