王者盤石のブンデスリーガ展望。長谷部誠ら日本人は定位置確保で期待大 (3ページ目)

  • 鈴木達朗●文 text by Suzuki Tatsuro
  • photo by Getty Images

 今季は、ドイツ屈指の手腕を誇る若手監督のユリアン・ナーゲルスマンが就任。ホッフェンハイムでは攻撃的なサッカーで、ヨーロッパ中のエキスパートの注目を集めた。ホッフェンハイムでは、再三チャンスを作りながらも決定力不足に泣いてきただけに、点取り屋の存在の大きさを誰よりもわかっている。エースのヴェルナーの残留は大きいだろう。第3節のボルシアMG戦では、そのヴェルナーが3発の大活躍。監督と選手のいずれも、互いに相性の良さを感じさせた。

 また、パリ・サンジェルマンからクリストファー・エンクンク、エバートンからアデモラ・ルックマンなど若手の有望株を獲得し、バックアップも高いレベルを維持している。UEFAチャンピオンズリーグ、代表戦といった過密日程をやり繰りできれば、最後まで優勝争いに絡んでくる存在だ。

 ドイツの移籍サイト「トランスファーマルクト」で実質リーグ4位の市場価値(推定4億1310万ユーロ/約516億円)を誇るのが、レバークーゼンだ。

 昨季途中から就任したオランダ人ペーター・ボシュ監督の下、攻撃的なサッカーで再びUEFAチャンピオンズリーグ圏まで躍進した。世界的コンツェルン「バイエル製薬」が背後にいるだけに、経営面ではリーグ屈指の安定感を誇る。ヨーロッパの舞台に出場することを目標に予算を組む様子が見て取れるので、本気で優勝を狙える陣容とは言いづらいが、実力者を要所に揃えている。

 今季はホッフェンハイムから、2人のミッドフィルダーを獲得。ドイツ代表のテクニシャンで、クラブの司令塔だったケレム・デミルバイを推定3200万ユーロ(約40億円)、ドイツU-21代表で東京五輪の有力選手のナディム・アミリを推定900万ユーロ(約11億2500万円)で獲得した。19歳でドイツ代表に定着した"天才"カイ・ハヴェルツを軸に、魅力的な中盤を形成する。

 日本人選手2名が所属するフランクフルト。ドイツ屈指のセンターバックとして定着した長谷部誠を中心に、中盤から後方では、昨季の骨組みを中心に、ウイングバックのエリック・ドゥルムや中盤のドミニク・コーアなど実力者のバックアップメンバーを獲得し、選手層も厚くなった。

 昨季センセーションを起こしたルカ・ヨビッチはレアル・マドリード、セバスティアン・アレーはウエストハムへ移籍。そして、アンテ・レビッチもミランへの移籍が決定し、前線は総入れ替えとなる。

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