食野亮太郎がハーツ移籍後即デビュー。3年後「マンCで輝けるように」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 課題を提示してくれたことがすごくよくて、そこが決め手になった。もちろん、環境も街もすごくいいところですし、人もすごくいい。監督とも話をして、自分のことを一番ほしがってくれていると感じたので、ハーツに決めました」

 では、ハーツが指摘した「食野の課題」はどこにあるのか。

「Jリーグでは『ドリブルが注目』と言われていたんですけど、アシストの部分や、(ボールを持った時に)顔を上げる部分とか、あとはフィジカルづくりとか、そういうところのプランも明確に提示してくれて。『身体をデカくするけど、キレを失わずに』とか、そういう細かいところまで言ってくれたところが、自分のことをすごく考えてくれているなと。苦労するにしても、放っておかれるより、ずっと自分のことを気にしてくれて、温かい目で見てくれるというほうが助かるので。ありがたいですね」

 ハーツという選択について、グアルディオラ監督の意向や助言はあったのか。食野は「そこはなかったんですけど」と明かすが、レンタル先を決めるにあたり、「マンチェスター・シティの強化部が、僕に付きっきりでいろんなチームを回ってくれた」と言う。

 食野のもとには、オランダのクラブを含めて3、4クラブがオファーを提示していた。食野は強化部のスタッフとともに各クラブを訪問し、ロッカールームや施設を見学。最終的な決定権は食野にあったが、レンタル先を決断するにあたり、マンチェスター・Cのスタッフから多くの情報とアドバイスをもらったと言う。

 そして、食野が選んだのはハーツ。マンチェスター・Cの強化部も、このハーツを一番に推していた。

 一方、迎える側のハーツも、食野に大きな期待を寄せている。

 1874年創立の古豪で、5度のリーグ優勝を誇り、昨シーズンはスコットランドリーグを6位で終えた。ただし、4月以降のリーグ戦を6敗1分の未勝利で終え、今シーズンも開幕4試合で勝利がない。それゆえ、即戦力として食野に期待しているが、21歳の日本人アタッカーの成長にもプライオリティを置いていると言う。

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