武藤嘉紀は連敗ストップに安堵。「失点したら最悪だった。勝ってよかった」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 惜しい場面もあった。最前線に残っていた武藤のもとにロングボールが入った後半44分。武藤は身体を上手に入れて、コロンビア代表DFのダビンソン・サンチェスの背後に抜けようとしたが、後ろからユニフォームを引っ張られて転倒した。

 ところが、主審はノーファウルの判定。突破できていたらビッグチャンスとなっていただけに、武藤も両手を広げてファウルをアピールしたが、判定は覆らなかった。

 試合は、このまま1-0でタイムアップ。6分間のアディショナルタイムと合わせて約8分間プレーした武藤は、勝利の大きさを噛み締めながら話した。

「この勝利はでかい。本当にひとりひとりが最後まで粘り強かったし、すばらしかったと思います。トッテナムもイライラしていたと思いますし、完全に自分たちの戦術に相手をハメたんじゃないかなと。(記者:チームのムードも変わった?)もう全然、違います」

 そして、緊迫した試合展開で投入された武藤も、連敗ストップの勝利に安堵感をにじませた。

「ビクビクしましたもん。やっぱり途中から入ってきた選手として、スコアをマイナスのほうに動かされたら、いくらかその人のせいにされる可能性もあるから。そういった面で(ホッとした)。

 今日はジョエリントンが点を決めていたし、試合中にケガ人も出ていたから、『出ないかな』と思っていた。できるというところをアピールしたいと思っていた。試合に入って、相手に点が入ったりしたら最悪だったから、そのまま勝ってよかった。あそこで自分のプレーが悪かったら、もう本当にチャンスがない。あの時間で出て、最低限のことはしたと思います。

 サンチェスと競り合った場面? 監督は、ああいうガツガツいくプレーが大好きなので。結局、ファウルにもならなかったが、相手をレッドカードにしたり、引っ張られてもそのまま行けるようにしないといけない。完全に引っ張られて前に出るのが無理だったから止まったけど、ああいうところも跳ねのけられるようにならないと」

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