歯がゆさ募る原口元気。
不安定な立場にも「今はここで集中する」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by AFLO

 契約には800万ユーロ(約9憶6000万円)と言われる違約金が払われれば、契約解除ができるという条項が含まれているようだが、現在の原口の市場価値は250万ユーロ(約3億円)とドイツメディアは報じている。しかし、その間にある、着地点となる金額を提示するクラブはなかなか出てこず、新しい情報もないまま8月の最終週を迎えた。

 グロイタ―・フュルト戦後の質問も、自然と移籍がらみのことに流れていく。

「すべてが終わったらはっきりすると思うので、それまではわからないですけど......」

 今現在、原口本人が公に口にできることがないのは当然のことだ。そんな状況で、前向きに日々を過ごすことは難しいのではないだろうか。

「そんなことはない。いま、何がどうなろうと(結局は)自分自身だと思っているので、しっかりここで集中してやっています。それ(移籍の可能性)ばっかりは、僕も(移籍マーケットが)閉まらない限りはわからない。今はここに向き合ってやっています」

 不安定な立場を抱えながら、原口は自分自身を見つめている。

「ひとつ言えるのは、ちゃんとやるしかないということ。今日は45分出られたので、なんとか落ち着いて、次につながるかなと思うし、次は(先発の)チャンスがあるかなと思います。重視しているのはコンディションです。毎週90分出ているわけじゃないので、個別に走ったり、自分自身のコンディションが上がるようなトレーニングをしっかり積んでいるつもりです」

 移籍ウィンドウが閉じるまであと1週間。原口の去就が注目される。

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