AZ菅原由勢にとってオランダは
理想的な環境。「第2の故郷です」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「名古屋のユースでは去年から『強さ・うまさだけじゃダメ』と言っていて、後輩たちがそれを体現してくれて優勝したので、僕も負けられない。僕がひとつ年上でオランダに来ているので、後輩たちにいい背中を見せられるようにがんばりたいです」

 そのためには、ピッチ外、つまり生活面を整えることも重要だ。AZの本拠地はアルクマールだが、オランダ2部リーグが開催される場所はザーンダムというアムステルダムから北に20キロほどの町にある。菅原はホームステイ先から自転車で2部リーグの会場に通い、1部リーグのホームゲームはチームメイトのクルマに同乗させてもらっている。

「ひとり暮らしという選択肢もありましたが、やっぱり常に英語をしゃべる環境が必要だなと思っていたので、自ら(ホームステイという)そっちの環境に身を置くようにしました。クルマに乗せてもらっているのはオーウェン(ワインダル)選手です。話ができますし、英語力も伸びるので、一石二鳥です。とりあえず、早くクルマの免許がほしいです(笑)」

 それにしても、菅原は本当にいいチームに入ったものだと思う。

「そのことは僕が一番感じていると思います。まず、人が温かい。最初から歓迎してくれました。さらに、サッカーが非常にやりやすい。僕の長所を出しやすいサッカーをしています。攻守が一体化していて、攻撃のところではある程度、自由もあります。優勝を狙えるチームだなと思います」

 フローニンゲン戦後、菅原は板倉滉から「今度、オランダでプレーする日本人で食事に行こう」と誘われたと言う。

「集まっていろいろな話ができれば刺激にもなると思います。おいしいものを食べながら、いい話をしたいです」

 菅原、板倉、堂安律(フローニンゲン)、中山雄太、ファン・ウェルメスケルケン際(ともにズウォレ)、中村敬斗(トゥエンテ)。実に6人もの日本人選手がオランダリーグに集まった。なぜ、彼らはオランダリーグに来たのだろう。

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