AZ菅原由勢にとってオランダは理想的な環境。「第2の故郷です」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 だが、菅原にとってありがたいのは、アルネ・スロット監督がコンスタントに出場機会を与えてくれていることだ。

 RKCワークワイク戦は、「相手が2トップで菅原と対峙する選手がいなく、どんどんオーバーラップできた時間帯」と、「相手のシステム変更で、敵のサイドアタッカーに厳しくマークしないといけない時間帯」という、ふたつのパートがあった。そんななか、菅原は28分という短い出場時間ながら臨機応変にプレースタイルを変えていた。

 RKC戦が終わった帰りのバスで、菅原は翌日のテルスター戦の出場を打診されたという。「やります」。そう菅原は即答し、テルスターとのダービーマッチを戦った。

「いくら2部リーグでも、目の前にいるのはフィジカルが強くてスピードのある黒人選手ですし、やっぱりすごいなと思いました。こういうところから這い上がってくるんだなと思います。そういう選手とやれるのは感謝したいです。自分のレベルを上げるためにも、いい経験をしている。試合に出られるなら出させてください、という感じです」

 オランダのメディアのなかには、菅原のことをセンターバック、右サイドバック、右ウイングをこなす多機能プレーヤーと見る向きがある。本人にそのことを訊いてみたところ、「ゴールキーパー以外なら、どこでもできます。左サイドもできます」とキッパリと言う。

「左サイドバックでも、左サイドハーフでも、監督が求めるところならどこでもできます。それは自分の長所だと思っています。ユースからいろいろなポジションでプレーしてきた経験がありますし、頭のなかでポジションごとの整理はできている。『チームが求めているものは何なのか?』と考えながらやっていますので、(複数ポジションで)できる自信はあります」

 ユース時代(名古屋グランパスU−18)の経験を語ってくれた菅原は、この夏、日本クラブユース選手権で優勝した後輩たちのことを喜んでいた。

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