移籍?残留? 久保建英は順調な進化のために今季をどう過ごすべきか

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フットボール原論

■レアル・マドリード所属の久保建英は、移籍直後にトップチームのプレシーズンマッチでアメリカ遠征に帯同。そこで評価を高め、スペインに戻ってからもトップチームでの練習に参加すると、ドイツ遠征のメンバーにも選ばれて、短い出場時間ながらもしっかりと能力を発揮した。そんな久保が順調にステップアップするために、今季をどのように過ごすのがベターなのか。元日本代表の福田正博氏が考察した。

プレシーズンマッチではトップチームでもプレーした久保建英プレシーズンマッチではトップチームでもプレーした久保建英 今シーズンの久保は、当初は3部相当のリーグに所属するカスティージャでプレーすると見られている。しかし、レンタルでの獲得を希望する1部クラブがいくつか現れているという。

 スペイン2部Bリーグが、久保にとって物足りないレベルなのは間違いない。8月31日の移籍期限までどうなるのか目離せないが、ジネディーヌ・ジダン監督は、今季は久保を手もとに置いて、その成長を見守るのではないか。

 選手がステップアップしていくための最善のルートは、ひとつではない。選手の数だけさまざまな道筋があるなか、久保がほかの1部クラブに移籍する場合、レアル・マドリードに残っては得られないトップチームでの出場機会が増え、経験値は間違いなく高まっていく。

 しかし、そうしたメリットがレンタル移籍にあったとしても、ジダン監督は久保の成長を見守りながら戦力として使えるタイミングを見計らうのではないか。その場合、普段の練習はトップチームでしながら、試合経験はカスティージャで積むことになるが、これはジダン監督がそれだけ久保を高く評価していることの表われと言える。

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