吉田麻也の経験力を監督が評価。「我慢」のはずが先発復帰を掴んだ (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 なにより驚いたのは、試合前日まで吉田がサブ組でトレーニングを積んでいたと、本人が明かしたことだった。バーンリー戦で守備が崩壊したことを受け、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督はすぐにメンバー交代に踏み切ったと思っていたが、吉田によると「(先発は)本当にサプライズだった。試合前日まで、ずっと練習でサブ組だったから。『また出ないだろうな。我慢だな』と思っていたら、急に金曜にスタメン組になった」と言う。

 一方のハーゼンヒュットル監督は試合後の会見で、「今回のリバプール戦はCBのポジションに吉田のような経験のある選手がいることが大事だと思った」と説明。さらに、「昨シーズンのホームで戦ったリバプール戦(1-3で敗戦)は、最終ラインを今日の試合と同じメンバーで戦った。この試合の出来が非常によかった。今日も、ほとんどの時間でいいプレーができていた。試合に敗れた理由はディフェンスではない」と評価した。

 昨シーズンの吉田は、ハーゼンヒュットル監督のもとでレギュラーとして稼働した。その日本代表DFが今季、開幕戦で先発から外れたように、監督の頭のなかでCBの序列は完全に定まっていないのだろう。

 ただ、善戦したリバプール戦を受け、ハーゼンヒュットル監督が吉田を再評価したのは間違いない。果たして、次節ブライトン戦はどのようなメンバーで臨むか。吉田は、「また次はどうなるか、わからない。(次節まで)1週間いいトレーニングをする」と気を引き締めていた。

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