中島翔哉は厳しいシーズンスタート。今季ポルトガルリーグ展望 (4ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 プレシーズンにおいて中島は8試合に出場し、トータルで260分間プレーしている。バルジン戦とファレンセ戦で1得点ずつ決めている。

 ポルトは他にも、メキシコのクラブ・アメリカからアルゼンチン人GKのアグスティン・マルチェシンとコロンビア人MFのマテウス・ウリベを獲得している。さらにアルゼンチン人DFのレンソ・サラビア、またスポルティング・ブラガで昨季活躍したカーボベルデ人FWのゼ・ルイスを補強した。

 ポルトは8月10日、開幕戦をアウェーで、2部から昇格してきたジル・ビセンテと戦ったが、なんと1-2で落としてしまう。ポルトが開幕戦で敗れたのは、2001年にスポルティングを相手に0-1で敗れて以来のことだった。ポルトは攻撃において決定力のなさを露呈していた。

 プレシーズンからルイス・ディアスと中島は交互に起用されてきたが、開幕戦の中島は控えで、最後までピッチに立つことはなかった。そのため中島を起用すべきではなかったのかと批判する解説者もいた。

 ポルトはこの試合よりも前、8月7日にCL予備戦、ロシアのクラスノダールとファーストレグを戦い1-0で勝利しているが、この試合に中島の出場機会はなかった。

 セカンドレクは8月13日に行なわれ、その試合で中島は公式戦デビューを果たした。ポルトガルリーグでつまずいたあとだけに、その屈辱を何としても晴らさなければならない試合に、セルジオ・コンセイソン監督はジル・ビセンテ戦から先発メンバーを入れ替えた。その一人が中島であり、彼は先発フル出場した。

 しかし、前半からポルトの守備陣はミスを重ね、34分の段階ですでに0-3とリードされてしまう。後半になると中島の動きもよくなり中盤において積極的なプレーも目立つようになった。57分にはゼ・ルイスが得点するが、その起点となったのは右サイドでの中島のプレーだった。中島は前線に何本もパスを供給したがその中には精度を欠いたものもいくつかあり、彼本来の力からすれば物足りなさもあった。しかし、中島のスピードある動きは相手のディフェンスを大いに苦しめたこともたしかだった。

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