中島翔哉は厳しいシーズンスタート。今季ポルトガルリーグ展望 (3ページ目)

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 ポルティモネンセはこれまで中島翔哉以外にも、テオ・龍希(亀倉龍希)、金崎夢生、権田修一といった日本人選手が常に所属してきた。今季加わった安西幸輝は東京ヴェルディ、鹿島での活躍を買われての入団となったが、当初、メディアの注目度は、それほど高くはなかった。しかし徐々にその実力の片鱗を見せ始めている。リーガ開幕前に行なわれたカップ戦、タッサ・デ・ポルトガル、アカデミカ戦では守備陣をよく統率してみせた。

 ポルティモネンセには安西以外にGK権田修一がいるが、昨季、プリメイラ・リーガにおいて1試合しか出場しておらず、今季も控えに回ることとなるだろう。

 マリティモは前田大然を松本山雅から獲得している。クラブにとって日本人選手としては3人目となる。前田はコパ・アメリカにおいて日本代表としてプレーしたことが高く評価されての移籍だ。そのためか、前田のクラブ加入は遅く、プレシーズンでの出場は間に合わなかった。それでも、開幕ゲームであるスポルティング戦では途中出場して、シュートも放っている。

 2017-18シーズンにポルティモネンセに加わった中島翔哉は、すぐに活躍をしてビッグクラブの関心を集めた。彼の1年目に決めた10得点の中にはポルト戦での得点も含まれている。そして2シーズン目となった昨季には、スポルティング、ビットリア・デ・ギマラインスなどからも得点し、彼の獲得を目指すビッグクラブによる争奪戦が始まった。ベンフィカも彼の獲得に動いたが、最終的に彼を得たのはポルトだった。彼はポルトにとって初の日本人選手となった。

 プレシーズンにおいて中島は、ブラヒミの抜けた穴を埋めるべく、そのポジションをルイス・ディアスと争った。ルイス・ディアスはコロンビア代表のFWで、コロンビア1部のアトレティコ・ジュニオールから中島よりあとにチームに加わり、中島にとって強力なライバルとなったが、中島はすでにポルトガルサッカー界での実績を持っているだけに有利である。そしてまた7月27日にドラゴンスタジアムで行なわれた、ソシオに対するお披露目試合のモナコ戦で、ファンの拍手をより多く受けたのは中島のほうだった。

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