中島翔哉は厳しいシーズンスタート。
今季ポルトガルリーグ展望

  • ジョゼ・カルロス・フレイタス●文 text by Jose Carlos Freitas
  • 竹澤 哲●翻訳 translation by Takezawa Satoshi

 ベンフィカが補強したもう一人のFWであるカイオ・ルーカスは、日本でもよく知られた選手だ。ブラジルから日本の千葉国際高校に留学し、鹿島アントラーズでプロデビュー、3シーズンプレーしている。その後カタールのアル・アインで3シーズンを過ごし、ベンフィカにやってきた。

 彼にとっては初めてのヨーロッパとなるが、すでにプレシーズンに行なわれたインターナショナルチャンピオンズカップのフィオレンティーナ戦で決勝点を挙げる活躍を見せている。

 ベンフィカの新顔で注目すべきなのは、19歳のDFヌーノ・タバーレス。プレシーズンに行なわれたスーペルタッサ・デ・ポルトガル、スポルティング戦でデビュー。ブルーノ・フェルナンデスを擁するスポルティングの強力な攻撃陣を前に苦しんだが、失点をゼロに抑え、ベンフィカは5-0で勝利。この試合でのパフォーマンスは高い評価を受けた。ベンフィカのカンテラ育ちの彼がトップチームでレギュラーを取れるか関心を集めている。

 スポルティングはこれまでポルトガルリーグで18回優勝を果たしているが、先述のとおり2001-02シーズンを最後にタイトルから遠ざかっている。昨季のリーガで大活躍を見せたブルーノ・フェルナンデスが留まるかどうか大きな関心を集めたが、最終的に残留することとなった。

 しかし、セルビア人MFのネマニャ・グデリを失った。補強したのはポルトガル人DFのルイス・ネットとアルゼンチン人FWのルシアーノ・ビエットだ。プレシーズンのスーペルタッサでベンフィカに0-5と大敗を喫したように、まだチームとしてうまく機能していない。したがって今季もタイトルを狙うのは厳しそうだ。しかも3位以内も、最近2シーズンと同様にスポルティング・ブラガに脅かされそうだ。

 日本のサッカーファンにとっては、今季ポルトガルでプレーする4人の日本人選手が気になるところだろう。

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