肉体改造に成功の武藤嘉紀が、プレミア2年目に自信。「点が獲れる」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 ミックスゾーンに姿を見せた武藤は、「調子はよかったし、絶対に出番がくると思っていたから、がっかりというか......」と肩を落としつつも、前向きな姿勢を一切崩そうとしなかった。

「1戦目の今日は仕方がない。新戦力の発表会みたいな感じになった。だから、我慢。(新戦力が多数ベンチ入りしたことで)サブに中盤の選手が誰もいなかったし、ちょっと不思議だった。僕自身も昨シーズンは開幕の3日前に合流して、いきなり試合に出た。『新戦力は使わないと』って、たぶんそういうことだったと思います」

 自信が揺らいでいない理由は、自身の調子がよいこともある。

 プレシーズンマッチのウェストハム・ユナイテッド戦でゴールをマークしたように、コンディション、身体のキレとも良好だ。加入が決まった昨シーズンは労働ビザ取得に時間がかかり、合流できたのは開幕の3日前だったが、2年目の今シーズンはプレシーズンの初日から参加している。十分な準備期間がとれたことも、プラスに作用しているという。

「去年はプレシーズンにいなかったからこそ、『どれだけプレシーズンが大事か』ということを再確認した。身体、コンディションともにいい。監督の意図もわかるし、そこでやりたいこともできている。だからこそ、今日は試合に出たかった」

 そして、オフの間に本腰を入れた「肉体改造」の成果も感じている。昨シーズンの序盤には、ベニテス前監督から「簡単に倒れすぎる。プレミアの判定基準に順応しなければ」と注文をつけられた。そこで、武藤は今オフの課題として取り組み、身体のキレを落とさないまま、筋肉量を上げることに成功した。

「脂肪が落ちて、筋肉量が上がり、体重も増えた。去年のスタート時に比べると、1.5~2kgは増えた。それで、走れる身体にもなっている。やってきたことが実を結んでいる。

 体重を増やしただけでなく、体幹も大事。今までアウターマッスル(表層筋)が大事だと思っていて、インナーマッスルを少しおろそかにしていた。だから、体幹を全然使えていなかった。一度、全部検査してもらい、いろいろやってみた。そうしたら、インナーを全然使えない状態になっていて。基礎の基礎ですけど、そこを本当にしっかりやっていったら、よくなった」

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