移籍期間終了。今季プレミアリーグの
優勝オッズから見える勢力図

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 モハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの3トップは欧州屈指の破壊力を誇るが、それぞれオフの間にコパ・アメリカとアフリカ・ネーションズカップに参加しており、疲労面が懸念される。先発メンバーに比べると控え陣がやや物足りないだけに、ジェルダン・シャキリやディヴォック・オリギを含めたバックアッパーの奮起にも期待したい。

 そのリバプールは、クロップ体制4シーズン目で欧州制覇を成し遂げた。次なる目標は当然、1990年以来30年ぶりとなる国内リーグ優勝。マンチェスター・Cを止めて、栄冠を掴めるか。

 そして、2強の背中を追いかけるのがトッテナムだ。チャンピオンズリーグ決勝に進出したチームをベースに、移籍期間は積極的に補強に動いた。

 獲得に動いていたパウロ・ディバラ(ユベントス)は取り逃したが、中盤に推進力をもたらすタンギ・エンドンベレ(前リヨン)、スペインでブレイクしたジオヴァニ・ロ・チェルソ(前ベティス)、左サイドの有望株ライアン・セセニョン(前フラム)を加えた。いずれも頼もしい即戦力だ。4位で終えた昨シーズンは王者マンチェスター・Cに27ポイントの大差をつけられただけに、積極的な選手補強でその差をどこまで縮められるか。

 一方、昨シーズンを3位で終えたチェルシーには不確定要素が多い。まず、新指揮官に就任したフランク・ランパードは、英2部のダービーを率いた昨シーズンしか監督経験がない。

 さらに、FIFA(国際サッカー連盟)から2度科せられている移籍市場での補強禁止処分の影響も無視できない。オフにはエースのエデン・アザールをレアル・マドリードに売却したが、現状、クラックが抜けた穴を埋められていない。新米監督には、少しばかり荷が重いだろう。

 その意味でも、昨シーズンはダービーにレンタルで在籍し、ランパード監督が育てたMFメイソン・マウントやDFフィカヨ・トモリといった若手が、どこまで台頭できるか。ここがポイントになるかもしれない。

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