2019.08.08

岡崎慎司はスペイン人好みのFWだ。
マラガで早くも見せた「適応力」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Quality Sport Images/AFLO

 昨シーズン終盤からチームを率いているビクトル・サンチェス監督に関しても、評価は定まっていない。かつて1部デポルティーボ・ラ・コルーニャを率い、2シーズンにわたって残留に成功するが、所属選手との確執が表面化。マネジメント能力が疑問視されてチームを去り、その後はオリンピアコス(ギリシャ)、ベティスで早々に解任されている。昨シーズンの1部昇格をかけたプレーオフでも、結局はデポルティーボ・ラ・コルーニャに完敗だった。

 混沌とした状況で迎えたプレシーズン、マラガの調子は万全とは言えない。プレーオフに敗れたショックをまだ引きずっているのか。2部B(実質3部)に昇格したアルヘシラスに0-0、同じ2部のコルドバに1-1、1部に昇格したマジョルカには0-2で敗れた。

とは言え、岡崎自身は悪くないデビューを飾っている。

 岡崎はコルドバ戦に2トップの一角で途中出場。ポストワークの展開から決定機を作り、ニアサイドへのクロスに合わせる動きも出て、持ち前の適応力の高さを示した。後半、アルバニア代表MFケイディ・バレの裏へのパスを引き出す動きは秀逸だった。ペナルティエリアの外側で相手DFのファウルで止められたが、この動きひとつで味方の信頼を確保した。事実、バレからはこの後にも似たパスが出ている。30分程度の出場でベンチに下がったが、交代の時には観衆から拍手を受けている。

 FWが生き残るには、クロッサー、パサーとの"阿吽の呼吸"を作るのが条件になるだろう。2006-07シーズン、2部ヌマンシアでチーム最多の10得点を記録し、1部昇格を争った福田健二は、出し手との関係構築に成功していた。その点、ボールを引き出す力に優れる岡崎は心配ない。前述のバレだけでなく、ポルトガル人サイドアタッカーのレナト・サントスとも、息の合った動きを見せる場面があった。

 ストライカーは点を取ることで評価されるだけに、「個人昇格」もあり得る。昨シーズン、2部で得点ランク2位のキケ・ゴンサレスはデポルティーボ・ラ・コルーニャから1部エイバルへ、3位のエンリク・ガジェゴはウエスカから1部ヘタフェへ、5位のフアン・ムニョスはアルコルコンから1部レガネスへ移籍した。過去には、欧州の中堅1部リーグの有力クラブへ移籍したケースも少なくない。