ネイマールの居場所がない。
「パリ脱出」を困難にする思惑の数々

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 では、どんな可能性が彼に残されているのか。たとえばフラメンゴへの6カ月間のレンタル移籍。そうすれば彼はブラジルの友人たちのそばにいられ、いいプレーを取り戻せるかもしれない。それが無理なら、あと1年はPSGにいるしかない。それもおとなしく、騒ぎを一切起こさずに......。

 8月3日、中国で行なわれたフランススーパー杯で、PSGはフランスカップの勝者レンヌを下して優勝した。ネイマールは出場停止処分でこの試合もプレーしていない。表彰式の後、記念撮影となったが、この時、選手の輪の片隅にいたネイマールを、キリアン・ムバッペが外に追い出した。もちろん冗談のつもりだろうが、ネイマールは明らかに困惑していた。PSGでの居場所のなさを、ますます感じたのかもしれない。

 8月11日、リーグアンが開幕する。移籍市場が閉まるのはまだ先だが、PSGもネイマールも、できればそれまでに決着をつけたいと思っている。果たしてこの日、パルク・デ・プランスのピッチにネイマールの姿はあるのだろうか。

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